- 出演者
- 弘中綾香
今回は職人技やスポーツ選手の技などを再現するAIや、犯罪抑止効果が期待できる行動認識AIなどを開発しているスタートアップ企業に話を聞いていく。
今回のテーマはAI×スタートアップ。AIは人間の脳が行う処理を代わりに行ってくれるものを指し、特にディープラーニング分野の急発展で次々と生成AIが出ている。
LIGHTzがでは職人の施行をAI化することで技術継承をスムーズに行えるように支援するシステムを手掛けている。富山県・高岡市の伝統工芸品 高岡銅器は受注が減っていることで若手の育成が困難な状況で、後進の育成のために富山県と共同でLIGHTzのAI「ブレインモデル」を導入した。このシステムは熟練の職人に3ヶ月間ヒアリングを行い、その内容をAIをに学習させて職人の脳内をPC内で再現している。思考の順番や各思考での作業方法や注意点などが画像付きで説明されていて、限られた時間で早く成長する事ができる。また若手がシステムを利用することで若手の思考を学習していて、ゆくゆくは若手の癖を把握して作業上気をつけるべき点をより詳しく教えてくれるようになるという。ブレインモデルは盛岡の南部鉄器や金沢の加賀友禅など様々な伝統工芸の現場で活躍が期待されている。
日本では言葉にできない経験や技術などの暗黙知を盗んで育てという文化があり、AIによって体系化することで暗黙知の継承がよりスムーズになることが期待されている。またスポーツの分野でも既に活用が進んでいて、フェンシングオリンピック日本代表チームでは日本代表選手と対戦相手のAIを作成して対戦させ、作戦をコーチングしていたという。こうしたAI技術は労働者不足を解消できることにも期待でき、特に中小企業の生産性向上に期待が持たれている。
アジラでは既存の警備システムにAIを導入することで犯罪・事件・事故を未然に防ぐ警備AIを提供している。東京駅の目の前にある商業施設「新丸ビル」にアジラが開発したAI警備システムが導入されている。防犯カメラに映る人の映像から動きを解析し、異常と違和感があったら自動で検知してアラートを発するという。さらにサポートが必要な方を判別するなど、犯罪防止だけでなくアクシデントへの対応スピードも格段にアップできる。
アジラの技術のベースは「行動認識AI」と「違和感検知」だという。警備以外にもヘルスケアやマーケティングの分野に応用することも可能。画像解析とAIの組み合わせは競合が多い分野だが、アジラは仕組みの軽量化と精度の高さを実現し、サービスを安価に提供できるなどの差別化を図っているとのこと。
尾上さんは元々大手証券会社に勤めていたが、41歳の時に一念発起してアジラに中途採用で入社したという。尾上さんは「金融ではできない事業会社ならでは醍醐味を感じ、自分もそういう世界でやってみたいと思った」などと話した。現在は技術面と経営面で分担を分けているといい、尾上さんら新メンバーが経営面を担っているとのこと。入山氏は「技術に優れた人が経営も得意とは限らない。日本は良い技術は沢山持っているので、あとはそれをビジネスに昇華できるかが重要」などと話した。
事業アイデア募集企画「FUTURE TALENT STUDIO」の採択者を発表する。1つ目は「次世代型電動バイク」。東京大学在学中の星暁翔さんが開発した。車輪の中心にあるハブといわれる部品がない自転車「ハブレスホイールバイク」を開発するというのが星さんのプランだという。2つ目は「気持ちを色で表すアプリ」。大手企業に所属しながら副業で事業開発に取り組んでいる高林孝幸さんたちが考案した「iroai」というアプリで、日々の気持ちを色で直感的に記録し自分と向き合う時間を作ることができるサービスだという。AIが感情の深掘りをサポートし価値観をクリアにするとのこと。選ばれた2人には森恭佑さんがメンターとして半年間奔走してくれるという。
エンディングトーク。入山氏は「大手企業から飛び出してスタートアップに入るような人がもっと増えるとさらに日本のスタートアップは盛り上がる」などと話した。
エンディング映像。