2023年10月9日放送 5:10 - 5:35 NHK総合

Dearにっぽん
水の中から羽ばたきたい 浜松・ある水泳教室の物語

出演者
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(オープニング)
オープニング

今回の舞台は「ぺんぎん村」というちょっと変わった名前の水泳教室。通うのは体に障害を持つ人で、陸上では感じられない自由を求め水の中へ入っていく。

キーワード
ぺんぎん村
(Dearにっぽん)
「水の中から羽ばたきたい 浜松・ぺんぎん村水泳教室」

ぺんぎん村は浜松市内の市民プールで活動している。週6日・27のクラスに4歳から39歳までの100人ほどが通っている。指導するのは知識を学んだ15人のスタッフ、指文字などを使い生徒とコミュニケーションをとっていく。代表者の伊藤さんは一人一人の可能性を引き出し活かすことを指導方針としている。伊藤さんは水中ではいろんなことにチャレンジできるのだと話す。5年前から教室に通う藤崎明香里さん、手足を自由に動かすことができないが、自分に合った自由形を練習してきたという。生まれた時から両足に麻痺があった藤崎さん、小学校高学年のときには自分の体を支えるのが難しくなったという。そんな時に紹介されたのがぺんぎん村だった。伊藤さんたちスタッフは藤崎さんの可能性を伸ばすことを模索した。そうしてたどり着いた、背泳ぎのような形の泳ぎ方。今の目標はターンをして50mを泳ぎ切ることだという。伊藤さんはできないことがあっても、その中の良い部分を見つけ褒めていく。藤崎さんはできることが増えるのは嬉しいと話した。

キーワード
浜松市総合水泳場浜松市(静岡)脳性麻痺

伊藤さんが水泳教室ぺんぎん村を始めたのは30年前。当時勤めていたスイミングスクール6歳の少年に出会ったのがきっかけだった。その少年は脳性麻痺で体を自由に動かすことが困難だったが、水泳を体験すると「入会したい」と話し、入会することとなった。しかしスクールからはなぜ障害を持つ子を引き受けたのかと言われ断るように指示されたという。伊藤さんはそんな少年を放っておくことはできなかった。市内の別のスクールに問い合わせるも断られ、悩んだ末伊藤さんは1人で少年に水泳の指導を行うことにした。話を聞いて障害を持つ人が集うようになった。障害に関して知識はなかった伊藤さんだったが、指導にのめり込んでいった。最初に教えた少年、小林健三さんは37歳になった今も教室に通っている。独自の泳ぎ方を15年かけて編み出した小林さんは国際大会を目指して練習している。小林さんはぺんぎん村に通って以降、自分の世界を広げてきた。この日は大好きなGLAYのコンサートにでかけた。こういった行動ができるのもぺんぎん村に通ったからだと話す。

キーワード
GLAY千葉県海浜幕張駅

8月、浜松市で70年以上の歴史がある水泳大会が行われた。4年前から正式に出場しているぺんぎん村の生徒たち。この日は8人がエントリーした。藤崎さんは50m自由形に出場、きっちりと泳ぎきった。この感想を藤崎さんは楽しさ半分、緊張半分と振り返った。藤崎さんを見続けてきた伊藤さんは可能性をさらに広げたいと考えた。それは1人で車椅子を降り、プールに入ること。自分はその位置に来たのだと藤崎さんに感じてほしいと伊藤さんは話した。この春から特別支援学校の高等部に進学、就労施設での実習を控えるなど社会に出る準備をしてきた。そんなある日、伊藤さんが別の生徒につく。藤崎さんは車いすを降り、ゆっくりとプールに入っていった。初めて藤崎さん1人では水の中に入った。10月、ぺんぎん村の生徒たちは県大会に出場した。ターンで苦労した藤崎さんだったが無事に50mを泳ぎきり、母はその姿に拍手したという。

(エンディング)
次回予告

Dearにっぽんの次回予告。

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