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イタリア語で「凍った」を意味する夏のご褒美、なめらかで芳醇な味わいが私たちを魅了する。そんなジェラートの世界に魅せられた若者がこの夏新たな挑戦に踏み出そうとしていた。竹野さんが目指すのは、これまでの味わいを残しつつ砂糖を使わないジェラート。
オープニング映像。
きょうの舞台は石川県野々市市にあるジェラート専門店。竹野さんはこの店で働いて4年目の24歳、開店の4時間前に出勤し思いついたばかりの新しいジェラートに取り組んでいた。店に並ぶメニューは日替わりで、竹野さんを含む6人の職人たちが日々腕を競い合っている。この店を立ち上げた柴野さんはイタリアのコンクールでアジア人として初めて優勝した日本を代表するジェラート職人。なめらかでコシのある究極の食感を追い求めてきた。竹野さんはこの夏、2年の1回開かれるジェラート日本一を決める大会・ジェラートマエストロコンテストに出場することになっていた。4月の予選と夏の本選、挑むのは砂糖を使わない型破りなジェラート。
ジェラートと出会う前竹野さんが夢中になっていたのは野球だった。少年野球チームでキャプテンを務め中学時代は全国大会に出場、プロの世界を夢見て日々練習に打ち込んでいた。高校は推薦で地元の強豪校へ、しかしレギュラーに定着できず卒業後野球に区切りをつけることにした。
予選まで1カ月を切った3月、砂糖を使わずになめらかさをどう生み出すかあるヒントを掴んでいた。砂糖の種類によって異なる「かたさ」と「甘さ」を示す数値、そのデータを元に理想のなめらかさを生む新たな原材料を探そうとしていた。竹野さんは様々な甘味料で試作を始めていた。甘みはあるが砂糖とは違い、腸に吸収されにくい特徴がある。砂糖では口の中で持続する甘みが甘味料の場合すぐに失われてしまう。
予選まで9日、竹野さんは苦渋の決断をしていた。砂糖が含まれるチョコレートを使うことにした。予選は審査が行われる東京にジェラートを送る。2日後、予選を無事通過した。2カ月半後の本選は再び砂糖なしのジェラートで挑むという。
5月、本選に向けある秘策を思いついたという竹野さんは高知県に向かっていた。訪ねたのはベルガモットという果物を作っている農家。ベルガモットは柑橘類の果物で独特の強い香りが特徴、日本ではほとんど作られていないという。ベルガモットの香りで口の中に余韻を残すことができれば甘みが続かない欠点を補えるのではないか期待が膨らむ。本選では「幸せのジェラート」というテーマが与えられている。本選はベルガモットとピスタチオの味で挑むことにした。ジェラートに乗せる飾りはイタリアの海をイメージ、チョコレートやアメを使ったデコレーションにも挑戦した。
6月東京、本選当日。全国から12人のジェラート職人が集まった。まずは実技、制限時間内にジェラートの製造から飾り付けまでを行う。竹野さんは研修で訪れたイタリアの海をアメ細工で表現した。味の審査のポイントは風味やバランス、そして幸せというテーマを表現できているか。ベルガモットは中に練り込むだけでなく表面にも散りばめ香りをより引き立てるものにした。優勝は竹野さんが選ばれた。次の目標は世界一、夢を追い続ける。
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