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オープニング映像。
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- 堅田町(石川)
加藤純子さんは食堂を切り盛りする傍ら、夫である悦晶氏を見舞う。難病の多系統萎縮症と診断されていて、脳の複数の部位がやられ、パーキンソン病、ALSを思わせるぎこちない動き、発話がうまくできなくなったりする。
加藤夫妻の自宅には2匹の愛犬がいて、クッキーは悦晶氏が大好き。一時帰宅した際、病床の悦晶氏から離れなかったという。夫妻は1982年2月14日にお見合い結婚した。結婚前に相手の写真を観たことがなかった純子さんは悦晶氏を見た時、老け顔だったので結婚相手の父親ではと思っていたという。食堂を営むなかで弁当を作り、純子さんが配達している。悦晶氏の病気が判明すると、純子さんは調理師免許を取り、ホテルの社員食堂で店長として働き家族を支えた。子どもたちの学費を稼ぐため、悦晶氏も体が動けるまで仕事をし続けた。入院の翌年、純子さんは食堂を始めた。2週間に一度、病院でリモート面会している。
木村隆氏は多系統萎縮症で妻の紀子さんと死別した。献身的に介護を続けるなか、抱きかかえてトイレに連れて行ったのに出なかった時には声を荒げたこともあったという。同じ病気を患う悦晶氏はすでに声を出せず、純子さんは瞬きで意思疎通を図っている。取材中、同室の患者がコロナに感染していると判明し、悦晶氏も検査も受けることに。陰性と判明したが、リモート面会はしばらく出来なくなった。純子さんは病室でテレビを視聴できるカード、直筆の手紙を受付に託した。
加藤純子さんのもとに長女の由佳さん、孫の真歩さんがやってきた。家族は病院を訪れ、悦晶氏とリモート面会した。取材中、41回目の結婚記念日を迎え、純子さんは新婚旅行のエピソードを明かしてくれた。妻と死別した木村隆氏は庭の手入れを行い、40数年前に植えた桃の木などを紹介してくれた。
リモート面会にやってきた純子さんは愛犬のクッキーが亡くなったことを打ち明けた。17年と3カ月の生涯で、最後は静かに逝ったという。後日、純子さんが病院へ車を走らせていると、虹がかかっていた。すぐさま駐車場に車を停め、スマホで写真に収めた。聞き上手な悦晶氏を笑わせるのが好きだという純子さんは今日も食堂で客たちを出迎えた。
エンディング映像。