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日本で最も速いペースで人口減少が進む秋田県。その中でも北秋田市は特に少子高齢化が著しい地域。高齢化率は46.43%。地域住民の半分以上が65歳位上の限界集落。北秋田市を盛り上げようとする斎藤美奈子さん。移住し町興しに奮闘。
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オープニング映像。
北秋田市はクマなどの狩猟を生業とするマタギの発祥地といわれ豊かな山の恵が人々の暮らしを潤してきた。そんな北秋田市に斎藤美奈子さんがやってきた。住んでいる大阿仁地区では高齢化率が60%を超える限界集落。山間の集落にはコンビニはなく、冬には多いときには3メートル近い積雪となる。斎藤さんは神奈川県相模原市出身で秋田に縁もゆかりも無い。学生の頃から海外への憧れが強く東京の大学卒業後、国内外に飲食店を展開する会社に就職し都内やアメリカの店舗で働いてきた。7年勤め退職し、ヨーロッパの日本食文化を学ぶためスペインに滞在するも2020年に新型コロナウイルス感染症が世界的に流行し帰国せざる負えなくなった。偶然目にした秋田市のホームページで地域おこし協力隊の隊員を募集しているのを知り応募し採用が決まり北秋田市に移住することになった。配属先は移住・定住支援室。移住者を増やしサポートすることが仕事。また並行して魅力を発信する広報活動にも取り組んでいる。大阿仁地区に着任したのは地域おこし協力隊着任2年目。新たな活動を始めた。秋田内陸線比立内駅の駅舎をコワーキングスペースとして活用できるようイノベーションを行い「がっこステーション」と名付けた。地域おこし協力隊に任命されてから3年。斎藤さんは任期を終え解任の日を迎えた。発言や活動が周りから理解を得られなかったと感じたこともあったという。3年を振り返り反省が続く。地域おこし協力隊として活動を終えた斎藤さん、次の活動の構想について「起業する予定」などと語っている。やりたいことがある斎藤さんは北秋田に残ることにした。
合同会社Anique設立から3週間。まず目を向けたのは商店街の小さな空き店舗。起業し初めて取り組んだのは経験のある飲食店の立ち上げ。お店は「ザ・リハーサル」と命名し名物にしようとするホットドックには別のターゲットを考えているようだ。斎藤さんを心配しているのは佐々木宗純さん。大阿仁地区出身で地元を仕事をしながら町おこしにも取り組んでいる。斎藤さんと意気投合し共同で合同会社Aniqueを立ち上げ、店のオープンも手伝っている。いよいよオープン。会社員や親子連れ、高校生が訪れ用意していたホットドックは完売した。会社を起こし初めての取り組みは順調な滑り出し。
比立内駅の駅舎を改修して2022年に作られた「がっこステーション」。漬物化工場の改修工事を行うことに。改正食品衛生法により漬物製造販売には一定の衛生基準を満たし保健所の許可を得た製造施設が必要となった。改修を決めたのは販売イベントを開催してきた大阿仁ワーキング。斎藤さんらも理事として参加している。立ちはだかったのは費用問題。改修だけでも100万円は必要。さらに機械購入費や運転資金などが必要となる。そこで目をつけたのはクラウドファンディング。目標金額は300万円。
斎藤さんはがっこステーションから近い一軒家で一人暮らし。北秋田市に移住し4年目、理想の田舎暮らしを送っているようだ。3人兄弟の末っ子で母に女手一つで育てられた。幼少期は人の顔色を気にしていたが、家族や友人、学校の先生たちと出会い自分の道を切り開いていった。自分の活動を見てほしい人がいる。児童養護施設に入所している子どもたちだ。秋田に来てすぐに養護施設で働かせてほしいと頼み込んだ。以来、週数回施設に通う生活を送っている。
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がっこステーションでは調理設備が揃った。漬物ではなくりんごのジャムが作られていた。りんごは大阿仁ワーキングの伊東代表理事の果樹園で採れたもの。クラウドファンディングは開始1週間で100万円に達するなど好スタートをきる。
がっこステーションの改装オープン前日。準備が進められた。りんごジャムを使ったスイーツやなめこの味噌汁などを振る舞われる。クラウドファンディングは目標額300万円に達して当初の不安はなくなった。改装オープン日を迎えた。施設に多くの人が訪れた。地域の交流の場、活動拠点でもあるがっこステーション。PRに力を入れ訪れる人も多くなった。
斎藤さんは生まれ育った神奈川県に帰省した。高校時代の友人たちの前で本音が飛び出す。高校時代の恩師とは今でも連絡を取り合う間柄。村越さんは相談をしたがらない斎藤さんを気にかけていた。帰省しタイミングが合えば訪れる祖母の墓参り。面倒を見てくれたおばあちゃん子だった。母親との付き合い方や活動への母の理解、感謝の気持ちはありながらどう表したらいいか密かに悩んでいた。数ヶ月前には親子で言い合いにもなっている。
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2024年を迎え、がっこステーションでは新たしい挑戦が始まっていた。漬物の密封機を導入し全国への発送が可能になった。ワーケーション需要を狙い実証実験を実施、都内の会社員を迎え漬け込み体験も行った。そして漬物販売会”がっこ市”を開催。漬物や惣菜約500点が並び盛況。4月、いつもの風景が変わろうとしていた。斎藤さんはアフリカに行くことを決意し、北秋田を離れることになった。
エンディング映像。