2023年9月3日放送 17:00 - 18:00 NHK総合

NHKスペシャル
選「死闘の果てに 日本vs.スコットランド」

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(オープニング)
オープニング

ラグビーワールドカップ2019では瞬間最高視聴率53.4%、観客動員数1,704,443人を記録。イングランドを準優勝に導いたエディー・ジョーンズ氏が取材に応じ、ワールドカップの最も輝いた試合に日本VS.スコットランドを挙げた。当番組の取材班は日本とスコットランドのキーマンに取材した他、最新の映像技術を駆使してこの一戦を分析。

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ラグビーワールドカップ2019
死闘の果てに 日本vs.スコットランド
スコットランド 知られざる戦略

日本対スコットランド戦の前日、日本列島に台風が襲来。試合が中止となれば1次リーグ敗退が決まるスコットランドは延期をしてでも試合をして欲しいと要望した。翌日の13日、台風の爪痕が残るなか晴天に恵まれ、スタジアムには過去最多の観客が集まった。スコットランドではパブリックビューイングが行われていた。迎えた試合、スコットランドはキックで日本を翻弄し、前半7分に先制トライ。キャプテンを務めたグレイグ・レイドロー氏は前回大会の日本戦で勝利に貢献したが、今大会でアイルランドに勝利してみせた日本の成長スピードを警戒していた。スコットランド代表のタウンセンドヘッドコーチ曰く、チームはプラン通り、上々の立ち上がりだったという。

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マーク・ドットソンラグビーワールドカップ2019横浜国際総合競技場
自由視点が解き明かす 日本代表 強さの秘密

出鼻をくじかれた日本だったが、オフロードパスからトライを決めるなど前半に21点をマーク。前半の日本のボール支配率は74%と、今回のラグビーワールドカップでは3位にあたる。攻撃プランを組み立てたのがアタックコーチを務めるトニー・ブラウン氏で、「期待をはるかに上回る最高のプレー」と振り返った。スタジアムの全方位には100台の高精細カメラが設置され、様々な視点から試合映像を分析。パスを受け取った堀江翔太は選手を引きつけながらパスし、姫野和樹と田村優は異なる方向に走り出して相手を惑わすなど、相手の守備を揺さぶりながら日本は攻撃を重ねた。同じサイドでスコットランドの守備選手よりも数的優位に立つと、堀江が攻撃の囮となり、相手の守備を突破。堀江曰く、高度な連携の裏に圧倒的なハードワークがあるという。

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ラグビーワールドカップ2019横浜国際総合競技場

エディー・ジョーンズ氏は「狭いエリアでの堀江の動きは素晴らしかった。日本の攻撃は世界でもトップ5に入るレベル」と激賞。南アフリカ代表のファフ・デクラークは日本対スコットランド戦を分析し、日本の攻撃が想像以上のレベルと振り返った。もはや、格下の国とは見なせないという。流大は前半終了間際の3トライ目について、「あのシーンが僕は一番いいトライだったと想う」と話す。選手たちは”同じ絵”を見ていたという。稲垣啓太、ムーア、堀江翔太が囮となって相手ディフェンスを引きつけ、姫野和樹からボールを受け取ったラファエレティモシーはスコットランド戦で初めてのキックを選択。それであれば、ボールを受け取る選手とのアイコンタクトなどのコミュニケーションが必要だが、ラファエレは別方向を向いていた。キックを見越していたかのような反応を見せた福岡堅樹はスコットランドのラッセルが肉薄しているのを目にし、キックならば裏をかくことが出来、ラファエレならそれを判断をしてくれると信頼していたという。

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ジェームス・ムーアフィン・ラッセルラグビーワールドカップ2019ラファエレ・ティモシー姫野和樹横浜国際総合競技場稲垣啓太
スコットランドの猛追 日本のほころび

日本の攻撃プランを組み立てたトニー・ブラウン氏は日本対スコットランド戦の前半について、予想以上にうまく行き過ぎているという懸念が頭をよぎったという。試合時間の割に肉体と頭脳を酷使し、試合終了まで持たないとみていたのはスコットランドのヘッドコーチも同様だった。ハーフタイム、チャンスは必ず来ると選手たちに指示。後半3分、日本は4トライ目に成功。だが、疲労からフォワードへのタックルが少しずつ甘くなり、バックスの選手たちがカバーに入ることで、生まれたスペースがあった。姫野和樹は「チームの動きが悪くなってきた時が後半は多かった」と吐露。

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ラグビーワールドカップ2019横浜国際総合競技場

また、20点以上の大差をつけたことで、日本陣営にはベスト8進出を決めたという緩みのようなものがあったという。ほころびを見逃さないスコットランドではなく、外側の空いたスペースにボールを展開し、足の速い選手がチャンスメイクするという作戦は奏功した。イングランド代表を率いるエディー・ジョーンズ氏曰く、スコットランドは負けているほど反骨精神を発揮し、驚異的な爆発力を見せるという。スコットランドは疲労が見えた4人のフォワードを後退させ、攻撃のギアを一段階あげた。7点差まで追い上げ、選手たちは一気に逆転できると確信していたという。

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ラグビーワールドカップ2019横浜国際総合競技場
ラスト25分 崖っぷちの攻防

ラスト25分、スコットランドの猛追を凌ぎきれるか日本中が注目していた。日本が突き放すチャンスとなったのはスコットランド陣内での21回に渡る連続攻撃。しかし、選手らは攻撃のスピードを上げてトライを奪いたい田村と時間を稼ぐことを優先した田中の間で別の絵を見ていたという。また、ディフェンスでも判断ミスやズレによる綻びが起こっていた。日本代表には2015年のW杯でも残り25分で逆転され敗北した苦い経験があり、長谷川コーチも「日本代表が勝てない時は後半25分で崩れていく」と回想した。

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ラグビーワールドカップ2015

そんな日本代表の流れを変えたのが、ラインナウト失敗後にスコットランド代表に突っ込んでいった福岡のディフェンス。これをきっかけに日本代表は鋭いディフェンスを取り戻し、苦しい中で自分と互いを信じてプレーを続行。その姿に、長谷川コーチは「信じようとしている次元ではなかった。すごくきつい合宿を乗り越えて1つのチームになった」と選手のプレーを評価した。

ラスト25分 選手だけが見た景色

「ラグビーワールドカップ2019 日本VSスコットランド」ラスト25分、一丸となって相手に向かう日本代表選手の姿が強く残っている。ホッグ選手は試合が進むにつれ日本は強くなっていったなどと語った。世界の強豪国でも古い歴史を持つスコットランドの選手たちも死力を尽くし、レイドロウ選手は日本に勝てると信じていたと振り返った。一方でリーチマイケル選手は自分たちも勝つことを信じ続けていたのだと明かした。またピーター選手や田村選手たちも当時を思い返し、勝ち負けを通り越した試合であったなどと告げた。

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ラグビーワールドカップ2019

タウンセンドスコットランド代表ヘッドコーチは「ラグビーワールドカップ2019 日本VSスコットランド」の試合で、選手とサポーターがひつとになった感覚に感動したなどと打ち明けた。日本代表を牽いたジェイミー・ジョセフヘッドコーチも選手たちが負ける可能性がある中でラグビーを楽しんでいたと振り返った。試合残り1分30秒となると日本代表は1枚のイメージを共有したプレーで会場を湧かせた。そして激戦を耐えに耐えた日本代表が勝利を手にした。ノーサイドの瞬間を振り返った堀江らは初めて感動を与えられるような試合が出来たと実感していたなどと告げた。タウンセンドスコットランド代表ヘッドコーチは、日本代表の選手たちからお互いの信頼などが伺え、こうした信頼に裏打ちされて素晴らしい高度なプレーが生まれたなどと評価した。福岡選手はチームを信じ切って自分の役割を各々が果たすことでワンチームとなり、本当に強い力を生み出すということを皆にも伝わったなどと述べた。

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ラグビーワールドカップ2019
死闘から1週間後

「ラグビーワールドカップ2019 日本VSスコットランド」の死闘から1週間後、日本は南アフリカと対戦し、26-3で敗退した。その後、南アフリカは「ラグビーワールドカップ2019」を制し、ワールドカップを手にした。今月11月、東京にて取材に応じた流大は凱旋パレードに訪れた多くのファンをホテルから眺め、笑みを浮かべていた。

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ラグビーワールドカップ2019
(エンディング)
エンディング

エンディング映像。

(告知)
ラグビーワールドカップ2023

ラグビーワールドカップ2023の告知。

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ラグビーワールドカップ2023

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