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世界一過酷と言われるレースを記録した。
オープニング映像。
ヒマラヤの大自然を走るスノーマンレースの全貌を記録する。総距離186キロのルートは壮絶を極め、第一回大会では参加者30名のうち12名がリタイアした。5日間で1日ごとに決められたコースを走破し、合計タイムで順位が決まる。平均標高は4200mで、酸素の量は平地の半分ほど。出場するのはブータン人選手7人と海外から参加したトップ選手9人。選手たちはレースの様子を自ら記録していた。1日目の最高地点は標高5180mのカルチェン峠。
選手が走るそばに氷河がとけてできた氷河湖が見えた。ブータンの主な水源となっているが、気候変動による氷河湖決壊洪水の危機が潜んでいた。1994年には氷河湖決壊洪水が起こり甚大な被害をもたらした。100キロ先の寺院が破壊され、21人が亡くなった。最近は温暖化の影響で決壊の頻度が高まっており、人々の不安が高まっていた。スノーマンレースはランナーたちにその現実を世界に伝えてもらうため、ブータン国王によって考案された。1日目は選手全員が走りきった。
2日目は朝6時にスタート。この日は7000m級の山々の谷を駆ける。タンザニアのサイモン選手はレース中に気候変動の問題をリポートしていた。キリマンジャロの麓で育ったサイモン選手は、キリマンジャロの問題とブータンの問題が似ていることを知り、その気候変動問題を発信するためにレースに参加した。キリマンジャロの氷河は2030年までに消滅するとされ、麓の町では深刻な水不足が心配されている。2日目終了後、地元の小学校で選手の到着を祝う催しが開かれた。校長は選手たちに気候変動問題を発信してほしいと訴えた。
3日目は標高5000m付近を12キロも走る最も過酷なルート。もしランナーの搬送が必要な事態になったらヘリコプターで最寄りの病院に搬送することになっていた。選手はレース中に景色の美しさに感嘆し、道中では村人がお茶を持って待っていた。村の上には危険な3つの氷河湖があり、洪水が起きると村を飲み込む可能性があった。ブータンには決壊の危険性の高い氷河湖が17あり、最も危険な湖はトルトミ湖とラフストレン湖であることがわかった。2つを隔てる土手の地下では温暖化で氷が溶け、土手が内側から崩れようとしていた。この土手が崩壊すると未曾有の大洪水が起きるという。3日目も選手全員が走りきった。
4日目、最終日を終え総合優勝はサンゲイ・ワンチュク選手、女子1位はロザンナ・ブハワー選手だった。5日間を走りきった選手たちはレースを通じて気候変動が世界に与えている影響を知った。レース後、選手たちはSNSなどでブータンやヒマラヤで起きている気候変動の実情を発信し続けている。2024年、ブータンの年平均気温は観測史上最高を記録。このままでは今世紀末までに氷河の75%が消滅すると予測されている。
エンディング映像。
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