2026年6月28日放送 21:00 - 21:50 NHK総合

NHKスペシャル
独占密着!サグラダ・ファミリア イエスの塔・完成の舞台裏

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(オープニング)
サグラダ・ファミリア 輝く道標 イエスの塔

140年以上建設が続くサグラダ・ファミリア贖罪教会。ガウディ没後100年を迎えた2026年6月10日、教会の中心に最大の塔が完成した。その名もイエスの塔。高さは172.5m。世界で最も高い石の教会となった。その頂に輝くのは幅13.5mもの白い巨大な十字架。生前に作り終えたのは全体構想のほんの一部。その後スペイン内戦で設計図や模型は破壊され、多くの手がかりが失われた。後を受け継いだのはガウディの弟子たち。イエスの塔はどんな姿をしているのか、建築家たちは15年に及び調査を続けてきた。NHKはその舞台裏に世界で唯一密着が許された。完成までの軌跡をたどる。

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サグラダ・ファミリア 輝く道標 イエスの塔

NHKが密着取材を始めたのは15年ほど前。イエスの塔はまだ土台しかなかった。設計を担当するのは建築家のジョルディ・ファウリ。31歳の時、サグラダ・ファミリアの門を叩いた。生前、ガウディが手掛け未完のままだった降誕のファサード。イエスの誕生を祝福する天使像が設置された。2021年には聖母マリアの塔が完成。世界を襲ったパンデミックの終息を願う祈りが込められた。2025年、イエスの塔の工場が大詰めを迎えたいた。塔の頂に据えられる十字架の設計は困難を極めた。サグラダ・ファミリアの地下にガウディが残した資料が保管されている。そこに十字架の手がかりがあった。サグラダ・ファミリアの構想を市民に伝えるために発行された機関紙には「4本の腕を持つ壮麗な十字架」と書かれていた。建築家チームはガウディが手掛けた十字架を調べ直した。十字架の腕は先端に向かって広がる形だと確認できた。19世紀後半、産業革命が進み社会は大きく変わりつつあった。格差が広がり人々の不満が爆発していった。各地でテロが相次ぎバルセロナでも犠牲者が出た。十字架に4本の腕があるのはその腕から光が広がり世界中を照らすため。

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もう一つガウディが残していた記述があった。「十字架は水晶でつくられ太陽の光を反射する」。水晶のように輝く十字架の解明を任された1人マウリシオ・コルテス。ファウリの特別講義を聞きサグラダ・ファミリアを志した。ガウディに関する記録や研究書を調べ尽くしたマウリシオはガウディの秘書が語ったあるインタビューの記録を発見した。「十字架は白いエナメルガラスでできている」。貧しい人々が安らぎを得られる教会を作りたいという願いに応えるためガウディはサグラダ・ファミリアの設計を引き受けた。しかし資金は乏しくガウディ自身も街に出て寄付を募った。晩年は報酬を受け取らず建設に生涯を捧げた。イエスの塔の頂で水晶の輝きを放つ光を生み出す重要な手がかりがグエル公園にあった。がグエル時代のタイルが当時の姿のまま残されていた。わずかに色合いが異なる21種類の白、配置まで計算されていた。対象的な色の配置が水晶のようにきらめく効果をもたらしていた。

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十字架は「街を一望できる展望台」となる。人が中には入れるほどの巨大な十字架はどのような構造なのか。弟子たちが受け継いできた資料の中にはヒントが眠っていた。それは模型を作るための小さな型だった。復元すると特徴的な部材が現れた。構造を解析するとガウディの二重らせん構造だった。聖堂の柱に使われていた強靭な構造で、複雑な光の反射を生み出す効果があった。設計図が完成した。実現には世界の叡智を結集する必要があった。構想建築の躯体を得意とする世界的メーカーが名乗りを上げた。水晶の輝きを生み出すため、新たなタイルの開発も始まった。精密な金属構造に合わせるため精度の高いタイルを制作しなければならなかった。2025年夏、ドイツからトレーラーが到着した。荷台に積まれていたのは分割された巨大な十字架のパーツ。

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4本の腕を空中で取り付ける前代未聞の難工事に欠かせない人物がいた。現場監督のジャウマ・トレギタルトはファウリと25年に渡りサグラダ・ファミリを築いてきた相棒だ。ジャウマは世界各国から集まった100人近い職人と石の塔を組み上げてきた。重要なのは完全な水平を保ったまま釣り上げること。上空の風の抵抗は地上の2倍を超える。やり直しは許されない。作業開始から12時間、1本目の腕が上空170mに設置された。息子を亡くしたジャウマを支えたのはイエスの塔を積み上げていく日々だった。

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2本目の取り付けが始まった。1本の腕の重量は11トン。片側に荷重がかかり続ければ構造に負担がかかり不測の事態が起こりかねない。だが強い風が拭きはじめてジャウマは工事を中止した。翌日、風はまだ残っていたが再開を決断した。東と西に2本の腕が無事取り付けられた。2026年2月20日、十字架の最後のパーツが取り付けられた。ガウディ没後100年となる6月10日、イエスの塔完成のミサが行われた。

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(エンディング)
エンディング

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