2024年8月26日放送 0:55 - 1:50 日本テレビ

NNNドキュメント
’24「戦前リアル」

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(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

戦前リアル

シンクタンク「CSIS」(戦略国際問題研究所)は台湾有事シミュレーションの結果を公表し、2026に台湾有事が発生すれば日本にある米軍岩国基地などは真っ先に標的になる可能性が高いことが明らかとなった。ロシアによるウクライナ侵略は首都・キーウにも及んでいる。

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戦前リアル

山口県岩国市は錦帯橋を中心に城下町として歴史を歩んできた。一方で米軍岩国基地がある基地の街でもあり、2018年には空母艦載機が新たに移転し、東アジア最大級の米軍基地となった。その負担の代償として岩国市は防衛省から補助金・交付金という恩恵を受けてきた。近年、中国は台湾統一を視野に急速に軍事力を強め、習近平国家主席は台湾統一へ「武力行使 放棄しない」としている。シンクタンク「CSIS」は次の戦争は台湾有事だと結果を示したシミュレーションを公表し、そこには嘉手納基地や岩国基地も標的になると記述しているとして最も可能性が高いとされるシナリオを解説した。米軍嘉手納基地を取り囲むように人々は暮らしており、恩恵よりリスクと捉える県民が多くいる。同じく基地の街である岩国市は戦後79年間、国策に翻弄され、幾度となく戦争と関わり、県民も受け入れ理解に努めてきた。

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2005年に日米両政府が米軍再編計画を発表し、空母艦載機部隊(約60機)を厚木から岩国へ移転した。岩国基地に隣接する川下地区では戦後60年に渡り騒音という大きな負担を背負い、新たな舞台の移転に県民は反対していた。当時の市長である井原勝介も反対派であったが、当時岩国市議会議員であった桑原敏幸が受け入れを容認する考えを示していた。2006年3月に岩国市で新たな部隊の受け入れの是非を問う住民投票が実施され、受け入れ反対が多数派となった。これに対し、国は新庁舎建設補助金の35億円を凍結した。一貫して反対派であった岩国市議会議員であった田村順玄は当時、民主主義国家のやることではないとしていた。国に対し1万1000人が抗議集会を開いた。国は米軍再編交付金を2007年に創設したが岩国市を対象外にした。2008年に岩国市長選挙が行われ、民意は大きく揺れ、僅差で容認派の福田良彦が当選し、国は手放しで結果を歓迎し、一転して市役所建設補助金の凍結を解除するとともに米軍再編交付金に岩国を対象に追加した。岩国は交付金で給食・医療費を無償化し、軍民共用空港が2012年に開講し、日米共用運動施設も建設し、そして2018年に空母艦載機移転が完了となり東アジア最大級の米軍基地となった。

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今年1月、岩国市長選挙が行われ、基地と共存派の福田良彦が5度目の当選を果たし、出口調査では基地財源による地域振興が66.9%となった。国内の米軍専用施設の7割が集中する沖縄では米軍・自衛隊の基地に対する反対の声は今も各地で根強く残っているが、一方で県民たちは沖縄の米軍基地が安全保障に必要かでは65%が必要だとしている。

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シンクタンク「CSIS」の公表した台湾有事シミュレーションでは米軍岩国基地と同様に標的になるとされる米軍嘉手納基地は沖縄市・嘉手納町・北谷町と1市2町にまたがり、東アジア最大級の米軍基地となっている。沖縄国際大学で安全保障などについて研究する野添は、有事における基地の役割と危険性を指摘している。太平洋戦争末期の1945年に沖縄戦が始まり、県民の4人に1人が犠牲となった。長年町議会議員を務めてきた田中は台湾有事を沖縄戦と重ね合わせてしまうなどと明かした。

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2017年に三重県で沖縄戦を戦った元日本兵であった近藤一が取材に応じ、当時は県民を守らなかったのではなく守れなかったのであり、25歳までの若者たちが急造爆弾1個を手に戦車に挑み死んでいったのが沖縄戦だったのだなどと明かしていた。

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南西諸島には日本も陸上自衛隊の駐屯地を次々と開設しており、宮古島・奄美大島・石垣島にはミサイル部隊が配備され、地対艦ミサイルが陸上自衛隊 石垣駐屯地に配備となった。石垣島の農家である具志堅は基地の近くにどれほどのミサイルが飛んでくるのか想像もつかないがガザの例などを見るとただただ恐怖に感じるなどと明かした。太平洋戦争末期、旧日本軍は米軍の上陸に備えて住民に避難命令を下していたが、避難先は山奥でマラリアに感染すると住民に恐れられていた場所であった。米軍が上陸しなくても多くの犠牲者が出た住民たちは安易な避難に今も抵抗感を抱いている。

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去年11月、山口県庁で台湾有事に備え新たに避難計画を作り始めていた。避難計画の対象は先島諸島の住民11万人と観光客1万人で、航空機や船で九州・山口県に避難することとなる。石垣島で暮らす山里は先の大戦では家族で山奥に避難したために母と祖母をマラリアで、妹を栄養失調で亡くし、当時の記憶を重ね、この度の避難計画ではいったい九州のどこへ、いつから始まり、どう現地民に受け入れられ、どんな生活が待ち受けているのか、そして帰ってこれる保証はあるのか不安などと明かした。

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台湾有事ともなれば米軍岩国基地は真っ先に標的になるとシミュレーションで示された。基地へ毎日カメラレンズを向けている戸村は基地の動きを記録し自身のWEBサイトに公開している。戸村は元広島市職員であり、仕事の傍らで被爆地広島を語り継ぐ活動をしていた。なぜ広島に原爆が投下されたのかに着目した戸村は軍都広島であったからだと突き止めていた。海上自衛隊輸送艦「おおすみ」から揚陸艇が発進し、広島湾にて日米合同訓練が実施された。シンクタンク「CSIS」の台湾有事シミュレーションでは戦いを有利に進めるための提言もしており、戦力分散が記載されている。提言に呼応するかのように岩国基地では去年6月から慌ただしくなり米軍嘉手納基地所属部隊が3週間に渡って訓練を繰り広げるなどしている。さらに米軍は松島基地や八戸基地でも訓練を開始し、シミュレーションには民間空港も使えるようにすべきだと記載している。8月7日、陸上自衛隊が九州・沖縄各地で離島防衛を想定して日米合同訓練を実弾を使用して実施した。

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(エンディング)
次回予告

NNNドキュメントの次回予告。

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