「マルコメ」があおさの「陸上養殖」に成功。今年9月〜商品販売へ。海面養殖から陸上養殖に切り替える。その理由はインバウンドで需要が高まっている。ただ、収穫は減ってきている。ピーク時(1983年)は約45.7万トン、2021年・おととし・去年は収穫ゼロだった。そこで自社生産することに。愛媛・西予市の1万平方メートルの土地に大小あわせて48基の水槽を設置。海面養殖は基本的に冬しか収穫できない。陸上養殖は水温調節が可能になり暑さに強い品種発見で通年収穫可能に。メリットは生産が安定することにより、商品価格が安定し、鳥の羽・釣り糸などの異物混入リスクが減る。マルコメ開発部資源開発課・松島大二朗課長は「この取り組みが幅広く全世界の方にあおさの良さを知っていただくきっかけになれば」と話している。「海面養殖」と「陸上養殖」に栄養の違いはあるのか。あおさの栄養は食物繊維・ビタミンA・ミネラル類・β−カロテン。海面養殖と同じ海水を使用しているため変化なし。陸上養殖のあおさ味噌汁をスタジオで試食。出演者は「あおさの旨味が詰まってる」等とコメント。陸上養殖は8年間の極秘プロジェクトだった。入社1年目の松島課長が担当に。同期の間では「“何か”を研究しているらしい…」との話があったそう。松島課長は「通年で養殖するために暑さにも耐えうるあおさの種を探すことにかなり時間がかかった」と話している。通常あおさは海水温が20度より高くなると生育できない。水槽に入れて50〜60日で生育。約5年の歳月をかけ幾度となく試食を繰り返し求める「味・色」のあおさ完成。日本中を探して高温耐性株を発見(暑さに強いあおさ)。9月から順次「生みそ汁 料亭の味 あおさ 8食」の一部を「陸上養殖あおさ」に切り替え販売。今後、段階的に設備を増設。2027年度までに年間収穫量14トンを目指す。松島課長は「他の育ちにくい藻類に対しても応用できると思う。海藻全般の将来につながってくれれば」と話している。恵は「開発にも色んな苦悩があったようですから日曜劇場とかドラマ化してほしい」等とコメント。