今月、農林水産省は北海道のコメは「前年産の生産実績を上回る」と発表。各都道府県が目安として2025年産「新米」の生産量を公表。長期的に見るとコメの需要が減少する中、新潟県や北海道など29道県が増産に舵を切った。コメ不足の解消に向け自治体が動き出す。独自の取り組みが進んでいるのが全国有数のコメどころ秋田県。きょう、大館市の農産物直売所を訪ねた。新品種のコメ「ズッパーサン」は5キロ3880円と値段もお手頃。最大の特徴はコメ粒の大きさ。あきたこまちと比べると平均で約1ミリ長く、約1.5倍の重さがある。関東のスーパーなどでも販売。開発者は江戸時代から続くコメ農家の9代目・畠山和夫さん。きっかけは突然変異種に出会ったこと。あきたこまちの田んぼで成長が早く一際大きな稲穂を発見。試行錯誤を繰り返し、去年農林水産省に品種登録された。コメの甘みを感じられ、食べ応えも抜群。名前の由来は大館の方言でたくさんという意味の「ずっぱー」。たくさんコメを収穫して農家が豊かになってほしいとの願いが込められている。今後は自分の田んぼを全てズッパーサンに切り替える予定。現在20トンだという収穫量、ひと粒が大きく暑さや寒さに強いため、収穫量5倍アップも夢ではないという。きょうも他県から商社の担当者が商談に来ていた。今後も心配されるコメ不足は「ズッパーサン」がピンチを救う日が来るかもしれない。