東京・目黒区に先月オープンした、BYDの販売店。普通車のEVの小売り価格は360万円〜450万円程度で、競合する他社のEVより比較的安い価格で販売されている。最大の売りは、独自に開発したバッテリーで、会社は、一般的なEVよりも寿命が長いとしている。国は今年度、EVの購入者に対する補助金の条件を見直した。充電設備の設置など、EVの普及に向けた取り組みが不十分だと判断されたBYDは、補助額が最大85万円から35万円に引き下げられた。それでもBYDは、正規の販売店を来年末までに今の4倍の100に増やす強気の計画。市場を開拓するためにまず取り組んできたのが、公共交通の分野だった。都内のバス会社では去年、1日に1回、4時間ほど充電すれば、従来のバスと同じように走行できEVバスを200台以上納入し、国内のシェアは8割を超える。乗用車のEV市場でも、日本でシェアを伸ばせるのか。自動車産業に詳しいアナリスト・中西孝樹さんは「コストも下がることを考えれば、日本の市場EVは右肩上がりで伸びていく、その中で商品力だとかEVに特化したブランド、こういったものでBYDがその一角を占める可能性はある」と指摘。その上で日本の自動車メーカーは、こうした中国メーカーの動きに目を向け、危機感を持って開発を強化する必要があるという。長期的には上がるという予測が多い。BYDは日本車の牙城だった東南アジアでも、EVで急速にシェアを拡大している。日本の自動車メーカーがどう対応していくのかが注目される。