広島県廿日市市に住む大橋和子さん。今年広島市の被爆体験証言者に史上最高齢の93歳で認定された。12歳だった大橋さんは建物疎開で後片付けの最中に被爆した。顔に残ったケロイドはその後の人生に影を落とした。被爆から9年、21歳で夫・克己さんと結婚した。被爆体験を話せたのは夫のみだったという。転機となったのは1990年。大橋さんが被爆した平塚町で引っ越し先を探す中で、息子が見つけてくれたアパートが被爆した場所からすぐの場所だった。被爆体験を語る場を自ら作ろうと81歳で食堂を作った。客に少しずつ体験を話せるようになった。そこで出山ひさ子さんと出会う。出山さんが食堂を訪れたことがきっかけで、大橋さんの活動をサポートするようになった。そして4月、被爆体験証言者の認定を受けた。6月、兵庫県からの修学旅行生に証言する機会が設けられた。再発と転移を繰り返すがんは4度手術。3月には左腕を骨折した。それでもあの日の記憶を伝える方法を模索している。
