村瀬煙火は79年前、ある特別な花火大会に参加した。それは、戦後全国で初めて行われた花火大会だった。長い戦争が終わり、戦後初となる花火大会は終戦から1年後の1946年8月10日、長良川で行われた。10万人以上の観衆が集まったがどこか神妙な面持ちの人も。戦時中は花火などもってのほか。火薬の使用も制限されていた。花火大会が消えるとともに、人々の生活は戦争に翻弄されていた。1945年7月9日深夜に岐阜空襲。900人が死亡。現正寺住職・高木慈興さんは、別の防空壕に避難していた親戚11人を亡くした。1ヵ月後に終戦。高木さんの出征した父親は戻ってこなかった。復讐心を抱えた高木さんを尻目に花火大会は開催が決まった。