78年前、原爆が投下され14万人が犠牲となったとされる広島。広島市では平和教育を教育の原点に掲げてきた。漫画「はだしのゲン」は作者・中沢啓治さんが6歳のときに被爆した実体験を元にした作品。原爆投下直後の広島の様子などが描かれている。中沢さんは子どもたち逆境の中でもたくましく育ってほしいという願いを込めた。「はだしのゲン」は10年前に平和教育の教材に採用されたが、今年差し替えられることとなった。
論争の的となったのは広島市教育委員会が独自に作る教材・ひろしま平和ノート。小学校から高校まで年間3時間、広島市の全ての学校で計画的に授業を進めようと10年前に導入された。ひろしま平和ノートの小学校3年生で扱われてきたのが「はだしのゲン」。今回の改定で削除され、新たな題材に差し替えられた。教育委員会は教員から出た課題に対応するために改定したとしている。現場の教員からは疑問の声も出ている。資料を入手して独自に分析した。改定に向けた議論は検証会議が4回、改定会議が6回行われた。検証会議には15名が集まり大事な教材であることの声があったが、改定会議では教育委員会側は削除する方式を示した。理由は家族のために他人の家の鯉を盗む内容は教育上不適切、浪曲の内容は児童の生活背景に即していないなど。有識者の一人は、どんなところから見ても耐えうるような教材を作り出していかなければならない、「はだしのゲン」を使用し続けるのであればどこからも批判されない方がよいなどと発言している。
「はだしのゲン」をめぐっては過去にも論争が起きてきた。10年前、松江市ではほぼ全ての小中学校の図書室で閲覧を制限、その後撤回するなど混乱があった。背景には保守系の団体の動き。ゲンの中に描かれている天皇の戦争責任を問う場面などを理由に学校からの撤去を求めていた。平和ノートに「はだしのゲン」を掲載することが決まったときにも同様の批判の声が教育委員会に寄せられていた。当時、教材作成を担当した一人は教育委員会の中で熟慮を重ねて掲載に踏み切ったと振り返る。今回の改定でも「はだしのゲン」の削除を求める声があがっていた。広島の保守系の団体は削除を教育委員会に働きかけたという。
改定の責任者が取材に応じた。検証会議以外から変更を求める声はなかった、広島市の子どもにとって目標に達成しやすい教材を作成した、周りの意見は耳に入れていないのが現実だとした。どこからもい批判されない方がいいという意見については、真意は分かりかねるとした。教育委員会の判断が与える影響について、現場の教員の中には懸念を抱く人もいる。
論争の的となったのは広島市教育委員会が独自に作る教材・ひろしま平和ノート。小学校から高校まで年間3時間、広島市の全ての学校で計画的に授業を進めようと10年前に導入された。ひろしま平和ノートの小学校3年生で扱われてきたのが「はだしのゲン」。今回の改定で削除され、新たな題材に差し替えられた。教育委員会は教員から出た課題に対応するために改定したとしている。現場の教員からは疑問の声も出ている。資料を入手して独自に分析した。改定に向けた議論は検証会議が4回、改定会議が6回行われた。検証会議には15名が集まり大事な教材であることの声があったが、改定会議では教育委員会側は削除する方式を示した。理由は家族のために他人の家の鯉を盗む内容は教育上不適切、浪曲の内容は児童の生活背景に即していないなど。有識者の一人は、どんなところから見ても耐えうるような教材を作り出していかなければならない、「はだしのゲン」を使用し続けるのであればどこからも批判されない方がよいなどと発言している。
「はだしのゲン」をめぐっては過去にも論争が起きてきた。10年前、松江市ではほぼ全ての小中学校の図書室で閲覧を制限、その後撤回するなど混乱があった。背景には保守系の団体の動き。ゲンの中に描かれている天皇の戦争責任を問う場面などを理由に学校からの撤去を求めていた。平和ノートに「はだしのゲン」を掲載することが決まったときにも同様の批判の声が教育委員会に寄せられていた。当時、教材作成を担当した一人は教育委員会の中で熟慮を重ねて掲載に踏み切ったと振り返る。今回の改定でも「はだしのゲン」の削除を求める声があがっていた。広島の保守系の団体は削除を教育委員会に働きかけたという。
改定の責任者が取材に応じた。検証会議以外から変更を求める声はなかった、広島市の子どもにとって目標に達成しやすい教材を作成した、周りの意見は耳に入れていないのが現実だとした。どこからもい批判されない方がいいという意見については、真意は分かりかねるとした。教育委員会の判断が与える影響について、現場の教員の中には懸念を抱く人もいる。