財政出動などへの期待が出て株価は上昇した。一方で日銀は、今後想定していた利上げを先送りせざるをえない可能性が浮上している。野党が早期の利上げに反対していることや、政治が不透明ななかで利上げに踏み切るのは日本経済にとってリスクが大きいため。しかし、日銀の利上げが遅れれば、円安が更に加速するリスクもある。みずほリサーチ&テクノロジーズ・調査部・チーフアジア経済エコノミスト・河田皓史さんは、「日銀は複雑な連立方程式を解かなければいけなくなる」と述べている。国民民主党は利上げには慎重な一方、賃上げと減税を主張している。公約を見てみると、賃金上昇率が物価を2%上回るまで、増税や社会保険料の増額などは行わず、逆に消費税を10%から5%に減税することを掲げている。選挙で強くなった野党の声は、今後も政府の財政政策や日銀の金融政策に影響を与えることになりそう。