きょう発表された4月の家計調査で2人以上の世帯の消費金額は、1年2か月ぶりに増加に転じた。背景にあるのが、コロナ禍からの経済回復。教育は大学が設けた授業料の減免措置の利用が減り、支払いが増加したことなどで、25.9%増えた。また洋服は、気温の高い日が続いたことで、夏物の衣服を早めに購入する動きが出て11%増えた。一方、食料は、物価高を背景に、肉や野菜類の支出を減らす傾向が続き2.7%減少。教養娯楽も、円安で海外旅行を控える動きが広がったことなどから9.2%減った。みずほ証券・小林俊介チーフエコノミストは「力強さ、迫力には欠く消費の回復」とコメント。物価が上昇する中、消費者の節約志向は続いている。埼玉・越谷のスーパーでは土日は特売などの商品をまとめて購入する客が多く訪れるが、平日の客数や購入単価は減少傾向にあるという。子育て中の出費を少しでも抑えるために今、需要が高まっているのが、子ども服を再利用するサービス。今後の消費の動向について、みずほ証券・小林俊介チーフエコノミストは、春闘の賃上げや定額減税の効果が消費を押し上げる要因になり、夏ぐらいまでは回復傾向が続くと指摘したうえで「物価高に勝てるような賃金上昇、所得の増加が今後どういうペースで起こってくるのか最終的な消費の回復の鍵を握っている」とコメント。