りそなアセットマネジメント・戸田浩司が電話で解説。日経平均予想レンジは、3万6400円~3万7000円。最近アメリカの経済指標やハイテク株の動きが、日本株に大きな影響を与え、株価は日々の材料に過剰反応する傾向がある。きのうの大幅安は日米とも8月下旬までの株価の急速な反発後、月がわかり持ち高調整の売りがまとまって出た影響が大きい。きょうもアメリカ雇用統計を前に不安定な相場が続きそうだが、相場の過剰反応には冷静な対応が望ましい。注目ポイントは、「政策保有株削減の行方」。上場企業がガバナンス強化や資本コストを意識した経営を進める中、政策保有株の削減が経営課題となってる。特に金融機関や自動車会社の持ち合い解消が加速しており、今年度に入り、史上売り出しを含めた政策保有株削減のニュースが相次いでいる。政策保有株削減は、目的が”利益捻出”ではなく、”経営改革”なので、株価が下がったから中断するものではない。政策株を売られる側の企業は、株の史上売り出しなどの発表があった直後などは、株式時給の悪化懸念がでるため、株価は下がりやすい傾向がある。しかし、中長期でみれば、ガバナンス強化や経営改革のために実施してるから削減が進んだ企業にはさらなる経営改革が求められる。取り組みを怠り、株価が割安で放置され続けると内外から敵対的M&Aの標的になる可能性が高まる。構造改革や株主重視の姿勢が加速することを期待したい。