日中首脳会談はまだ続いているものとみられる。きのうの米中首脳会談では習近平国家主席の穏やかな表情が印象的だったがきょうの会談冒頭でも習首席は時折笑顔をみせていた。日中首脳会談の実施は約1年ぶりで中国による日本産の水産物の輸入禁止措置や日本人の拘束事案、東シナ海での中国の海洋進出などが議題になったものとみられる。政府関係者によると今回の会談はトップ同士の対話に強い意欲を示していた岸田総理と、経済の減速を背景に両国関係を改善させて日本企業の投資などを呼び込みたい中国の双方の思惑が一致し、実現したという。ただ日本産水産物の輸入禁止措置の問題1つをとっても撤廃を求める岸田総理と振り上げた拳を簡単には下ろせない中国側の隔たりは大きく、短期間での進展は望めないとの見方が大勢だ。中国側は会談冒頭で「戦略的互恵関係」という言葉を持ち出したが、双方は建設的かつ安定的な関係を構築するため会話を続けることの重要性を確認する見通し。