ADB(アジア開発銀行)は浅川総裁の後任を選ぶ選挙で日本が推薦した神田前財務官のほかに立候補者がいなかったため加盟する国と地域による信任投票を行った。その結果、全会一致で神田を次期総裁に選出したときょう発表した。神田氏は59歳。1987年に当時の大蔵省に入り、主計官や国際局長などを経て2021年からことし7月まで国際金融部門の事務方トップの財務官を務め、歴史的な円安局面が続く中、大規模な市場介入の指揮にあたった。財務省退任後、現在は金融国際経済を担当する内閣官房参与を務めている。1966年に設立されたアジア開発銀行は日本が最大の資金拠出国で、歴代の総裁はすべて日本から選ばれている。神田氏は11人目の総裁として来年2月に就任する予定。アジア太平洋地域では経済成長による急速な都市化のほか脱炭素などの気候変動対策、頻発する自然災害への備えとしてインフラ整備などの資金需要が高まっており、神田氏の手腕が問われることになる。
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