2025年7月11日放送 4:15 - 5:00 NHK総合

国際報道
2025 ウクライナ避難民支援 日本で順次終了

出演者
辻浩平 藤重博貴 酒井美帆 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像とともにキャスターらが挨拶。

ニュースラインナップ

「支援先細りウクライナ避難民」などのラインナップを伝えた。

(ニュース)
米ロ外相会談 行われる

アメリカのルビオ国務長官とロシアのラブロフ外相の会談がマレーシア・クアラルンプールで行われた。会談は約50分。ロシア軍は今月9日にかけて過去最大とされる700機以上の無人機による攻撃を行う。アメリカのトランプ大統領はアメリカが求める停戦に一向に応じないとしてロシアのプーチン大統領に対し強い不満をあらわにした。ウクライナへの輸送を停止していた防衛のための兵器を追加で供与すると発表。ロシアへの追加制裁を検討する考えも示している。こうしたなか会談でどのようなやり取りがあったか注目される。

新たに8か国に書簡“ブラジルは関税50%”

日本からの輸入品に対して25%の関税を課すと通知したトランプ大統領が9日、あらたに8か国に対する関税率を公表。ブラジルが50%、アルジェリア、イラク、リビア、スリランカは30%。ブルネイ、モルドバは25%、フィリピンは20%。ブラジルに注目。4月発表時は10%のため今回大幅に引き上げられた形。トランプ氏は書簡のなかで、ボルソナロ前大統領について裁判は行われるべきではないと主張。サンパウロ支局長の吉永智哉さんによると、衝撃が広がっている。ルーラ大統領は報復も示唆。地元メディアは医薬品の特許といった知的財産権の停止などが検討されていると伝えている。内政干渉について、ルーラ大統領は強く反発。ルーラ大統領とトランプ氏は対面で会ったことがない。外交姿勢も中国やロシア寄りと指摘されている。トランプ政権に対して有効な手立てを打ち出せるのか手腕が問われることになると話した。

“来月1日から銅に50%関税課す”

トランプ大統領は9日、自身のSNSに来月1日から銅に50%の関税を課すと投稿。安全保障の観点から調査を行った結果だとしている。銅は半導体、航空機、船舶、データセンター、ミサイル防衛システムなど重要産業に不可欠な素材。銅の生産を国内回帰させたいと強調。9日のニューヨーク株式市場では半導体大手のエヌビディアの株価が上昇。時価総額が一時4兆ドルを突破。アメリカのメディアは時価総額4兆ドルを達成した初めての企業だと伝えている。

辻’s Angle「時価総額4兆ドル 成長の背景と野心」

エヌビディアの急成長の背景と野心をみる。時価総額は4兆ドルに達した。この金額は日本の名目GDPとほぼ同じ額。アメリカ、中国、ドイツの名目GDP。トヨタ自動車の約15倍に相当。時価総額1兆ドル以上の世界企業は、エヌビディアに次いで、マイクロソフト、アップル、アマゾン、アルファベット、メタなど。GPUで世界7割のシェアを持つ。エヌビディアの時価総額の推移。ChatGDPが公開され急激に伸びる。その後、2つの試練。ディープシークが登場。一部の半導体を中国への販売を制限。しかし株価は持ち直し4兆ドルへ。中国に熱視線。フィナンシャル・タイムズによると、ファンCEOは近く中国を訪れ政府高官と会うと報じる。中国向けの半導体を販売か。トランプ氏による輸出規制について、中国が高性能の半導体を製造するのを後押ししていると批判的なコメントを残している。

極右政党の本部など捜索

フランスの有力政治家・ルペン氏が事実上率いる極右政党・国民連合の本部や複数の企業の本社などにフランスの捜査当局が捜索に入った。選挙活動のための資金を不正に調達した疑いがあるとしている。ルペン氏は再来年のフランス大統領選挙で有力候補とされてきたが、今年3月、公金不正流用の罪で有罪判決を受け、被選挙権が停止されている。国民連合・バルデラ党首は、隠すものは何もない。政治勢力への前例のない弾圧だと述べ、当局の捜索に反発。

中国の影響力は?懸念払拭されたか

AIIBの10回目の年次総会が開かれた。AIIBの資本金1000億ドルのうち中国は297億ドル余を出資。26.5%の議決権、重要な議案を単独で否決することができる。一帯一路構想にも警戒の懸念。中国・藍財政相は、AIIBが国境を越えた事業を支援するため、より多くの資源を投入しより積極的な支援と措置を講じることを期待するとコメント。日本、アメリカは加盟していないが、加盟国は110の国と地域。日本が主導するADBは69の国と地域。AIIBの投資と融資の残高は610億ドル余。風岡俊史さんは日本の政府系金融機関から転職、5年余勤務。風岡さんは、主に東南アジアで民間企業向け融資を担当。ラオスの風力発電プロジェクトをプレゼン。ベトナムへの電力を輸出。日本の大手商社も参画、ADBや日本の大手銀行などと協調融資する形をとっている。風岡さんは一帯一路だから融資をするということは決してなくて、プロジェクトをみたうえで融資の判断を是々非々でしていくという感じとコメント。所得の低い国への支援が進まないという課題も。総会では金立群総裁が退任。後任は中国財政省の元次官を決定。トップ後退を機に中国が影響力を強めるのではないかとの懸念も出ている。中立性に配慮した運営を継続するとの姿勢を強調。AIIBは単独融資を増やすなど2030年までにさらに11兆円近い投資、融資を積み上げる計画。新総裁は中国共産党の中でも序列が高いとして中国の関係を注視していく必要がある。日本総合研究所・調査部・佐野主任研究員は中国との過度な距離感を保てるかというのは大事なことだろうと思うと指摘。

WOW!The World
給食に“絵画用の顔料”園児が鉛中毒

中国・甘粛省の幼稚園で園児たちの血液から鉛が検出された。原因は給食。監視カメラの映像には担当者が絵画に使う黄色い顔料を小麦粉に混ぜている様子が。蒸しパンの色がおかしいと保護者からの問い合わせで発覚。警察は給食の担当者がネットで顔料を購入したとして関係者8人の身柄を拘束、取り調べている。

ブロックを積んで世界記録

中国人男性がゲームに使われる直方体のブロックを垂直に置き、その上に次から次へと水平にブロックを積んでいく。積んだブロックの数で記録に挑戦。3149のブロックをのせることに成功、ギネス世界記録を樹立。

ブラジル 迷子のペンギンが海水浴?

ブラジル・リオデジャネイロのビーチにペンギン。普段はチリのパタゴニアに生息する種だという。海流やえさ不足、方向感覚の喪失などの理由で回遊ルートから外れたとみられる。

お礼状を1万通送る

アメリカ・ニュージャージー州に住む女性、手書きのお礼状1万通を送るとの目標を掲げる。感謝をあらわす行動について書かれた本を読んだのがきっかけ。お礼状には折り紙で折ったハートを同封。大変だったのは送る相手を考えること。返事をくれる人はあまりいないが、1日3通、10年以上続けた計算に。1万通目のお礼状はきっかけとなった本の作者に送ったという。

(ニュース)
ロシア軍による連日の大規模攻撃

ウクライナ空軍の発表によると、8日夜から9日にかけてロシア軍が728機の無人機や13発のミサイルを使った大規模な攻撃を行う。首都のキーウでは6時間位にわたって防空警報が出る。9日から10日にかけての攻撃では2人が死亡、16人がけが。ゼレンスキー大統領はロシアによるテロが明らかに増大している。テロの代償を真に感じるほどの圧力をかける必要があるとSNSに投稿。ロシアに対する追加の制裁を求めるとともに防空システムの必要性を改めて強調。

SPOT LIGHT INTERNATIONAL
“支援終了”で避難した人たちは

ロシアの侵攻開始から3年余り。戦闘の長期化で世界各国で支援が先細っていく傾向にあるなか、日本に避難しているおよそ2000人のウクライナ人も大きな影響を受けている。日本では様々な組織が住宅を提供したり生活費を支援。政府は生活費1日あたり最大2400円、最大2年支援。日本財団も渡航費、生活費は1人あたり年間100万円を最大3年にわたり支援。生活費の支援が終了しているなか、苦しい生活を余儀なくされている人たちを取材。

ナタリア・ムリャフカさんは2022年日本への避難を決意。2人の娘を連れ、親せきのつてを頼って来日。夫は今もウクライナに残っている。住宅は横浜市が無償提供。娘は近くの学校に通い、日本語も少しずつ出来るようになった。ムリャフカさんは民間団体が支援する生活費を頼りにしてきたが予定された期間はことし5月に終了。今は働けずにいる。生活費の残りと貯金を切り崩しながら生活している。帰国も考えたがウクライナに子どもを連れて戻ることはできないと判断。同じ市営住宅に住む夫婦は翻訳アプリを使い生活で困ったことなどの相談に乗っている。

これからの支援のあり方は

高須記者に聞く。今、大きな課題になっているのが就職の問題。避難した937人が回答した日本財団によるアンケート。働いていないは44.3%。ウクライナに帰国を決めた人もいる。日本財団・経営企画広報部・梅村部長は、就業していただくのが日本での生活の上で一番必要なことだと思っているとコメント。日本語の習得、職のマッチングを支援することは引き続き重要。筑波大学・明石教授はそれぞれ置かれた状況が異なることを理解したうえで本人の自立を後押ししその自立によって自尊心を持ってもらえる支援が必要と指摘。皆さんの声、QRコードから募集中。

Human@globe
祖国の戦闘記録する報道写真家

報道写真家のイェ・アウン・トゥさん。ミャンマーでは軍と民主派勢力側の戦闘が激化。軍による攻撃、弾圧で死亡したのは6874人。この4年戦闘の最前線で取材してきたイェ・アウン・トゥさん、長引く戦闘で傷つく祖国・ミャンマーにレンズを向け続けるその思いとは。

一連の写真のタイトルは「紛争の国」。内戦を可視化したと評価され、今年5月、世界報道写真コンテストで最も優れた作品の一つに選ばれる。撮影したのは報道写真家のイェ・アウン・トゥさん。民主派勢力側の部隊に同行するなど戦闘の最前線で撮影を続けてきた。かつて大手通信社のカメラマンとして活躍。2015年の総選挙を経て民主化し、急激に変化したミャンマーの姿を捉えてきた。4年前の軍事クーデターで市民の姿を記録に残すべきだと決意。通信社をやめてタイに拠点を移すし、ミャンマーを取材。目の当たりにしたのは罪なき人々の死。少しでも若者たちの助けになりたいと講習会を開いている。重要なのは教育。ミャンマーの闘いは孤独。ミャンマーで何が起きているか世界に知らせるのが私の使命と話す。

現地ではジャーナリストたちが理由を告げられないまま逮捕される事態が相次いでいる。わたしたちは無関心でいてはならないと話した。

INTERNATIONAL NEWS REPORT
“死者120人 安否不明160人以上”

アメリカ・テキサス州で氾濫したグアダルーペ川。子どもたちが洪水に巻き込まれたキャンプ場とは別の下流のオートキャンプの紹介。2100人体制で捜索が続けられている。

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