- 出演者
- 辻浩平 藤重博貴 酒井美帆 デビッド・ボーリング
オープニングの挨拶。
きょう伝えるニュースラインナップを紹介した。
アメリカのトランプ大統領は日本からのすべての輸入品に対し8月1日から25%の関税を課すという書簡を発表した。今回の追加関税について、品目ごとに既に課されている自動車や鉄鋼アルミに関しては上乗せされず、一時停止中の相互関税に1%が上乗せされる形になると言う。専門家の分析では仮に25%に引き上げられた場合、日本のGDPは1年程度で0.85%押し下げられると言う。野村総合研究所・木内登英氏は「日本経済が来年にかけ景気後退に陥る可能性が50%を超えるのではないか」と指摘している。今回の決定を受け、NY市場では貿易摩擦が再び激化する懸念から、売り注文が広がり一時600ドル以上下げる場面があった。
今回発表された書簡によると、関税が引き上げられたのは日本とマレーシアのみで、韓国、南アフリカ、タイは据え置き、他の国々は引き下げられている。
ユーラシア・グループ日本アジア貿易部長のデビッド・ボーリング氏は今回のトランプ関税の書簡について「日本にとってはいいニュースだろう。30~35%という税率もほのめかされた中で25%はよいこと。また延期もされたので交渉の時間の余裕ができた。しかしこの書簡はトランプ氏がいかに貿易赤字にこだわっているかを示している」などとコメントした。
ワシントン支局から中継。 今回の書簡から感じることとして「焦り」と「強気」の2つだと指摘。トランプ大統領は貿易赤字となっている18の国と交渉しているが、いまだにどことも合意に至っていない。日本に対して強い不満を繰り返し主張し、今回最後通牒とも言える提案を行った。一方でトランプ大統領を強気にさせているのが大規模減税法案の成立だという。
日米間税交渉の最大の懸案は自動車。アメリカにとって対日貿易赤字の多くを占めており、日本にとっては基幹産業であり譲歩したくないのが本音。ボーリング氏は「自動車の対日貿易赤字は何年も続いており、トランプ政権にとってはこれに対応するのが優先事項。」などとコメント。自動車メーカーの対米輸出台数と米国の生産台数を比較したグラフでは1980年代の日米貿易摩擦の際には日本が多くの自動車を輸出し、米国ではほとんど生産していなかった。しかし現在は米国での生産が増加し、日本からの輸出は減少している。ボーリング氏は「アメリカ国内で自動車を生産していることは分かっており、日本からの投資を更に増やしたいと関税を引き上げている。また、現地生産を増やしても赤字は変わらないため優先事項は変わらない。5年連続で対米投資をしているのは日本がダントツ。」などとコメント。
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- ドナルド・ジョン・トランプ
ワシントン支局・小田島記者の解説。こちらで取材して強く感じるのはトランプ大統領の貿易赤字解消への強いこだわり。最大の要因となっている自動車分野でアメリカが譲歩するとは考えにくく日本は苦渋の決断を迫られる可能性がある。一方でアメリカではIEEPAを法的な根拠にし発動した相互関税などが有効か無効かを問う控訴審が今月末に開かれる。各国にとっては裁判を控える中、拙速な合意は避けたいという思惑が働き交渉が進まない要因の一つとも指摘されており関税の交渉では裁判の行方も注目される。
元USTR交渉官・デビッドボーリングは「トランプ氏が法廷で敗訴しても他の法律で関税を実施できる。関税の政策は他の法律で進めると思う」、視聴者からの質問“アメリカ第一主義というトランプ大統領の方針はむしろアメリカ経済を傷つけるのではないか”に対して「製造業を復活させるというのが第一の優先課題」、トランプ大統領とのディールのしかたについて「日本の交渉担当者は現実的な路線をとるべき」などとコメント。
番組では皆さんの声を募集。
トランプ大統領がイスラエルのネタニヤフ首相と会談を行う。アメリカがイランの核施設を攻撃以降、両首脳が対面で会談するのは初めて。トランプ氏は協議を近く再開する考えを明らかにした。イスラエルとハマス間の戦闘 について、彼らは協議を望んでいるし停戦を望んでいると述べた。イスラエルとハマスは停戦、人質の解放に向け、仲介国のカタールで協議。ハーレツによると、イスラエル政府高官はすでに80~90%合意しているが協議はあと数日以上かかると述べたと伝えている。ハマスの政治部門幹部のオサマ・ハムダン氏がNHKのインタビューに応じる。トランプ大統領が停戦合意に向けイスラエルへの働きかけを強めることに期待を示す。停戦協議で60日間の停戦期間が過ぎてもイスラエルが戦闘を再開しない保証や人道支援を国連機関の主導に戻すことなどを求めていると明らかにした。イラン外務省のバガイ報道官は、話せる情報はない。信頼の回復がカギになると話した。
タイとカンボジアの検問所は平日の日中でも閉ざされたまま。タイとカンボジアが領有権Wの争う国境地帯で双方の軍による銃撃戦が発生。カンボジア軍兵士1人が死亡。貿易や人の往来は止まったまま。国境対立の影響は政治にも。ペートンタン首相がカンボジアのフン・セン上院議長と事態収拾を目指し電話会談、その内容が流出。自国の軍幹部を批判。軍や王室を支持する保守派は反発。タイ憲法裁判所は首相解職の申立を審理するとして首相の職務一時停止を命じる。保守派の活動家たちは問題の根源はタクシン元首相だとして、圧力を強める考え。タイでは政党の解党、首相の解職を命じる司法クーデターが相次ぐ。専門家は裁判所は首相の解職という判断を下す可能性が極めて高いと分析。
オーストラリアで2年前、毒キノコを使った料理を親族などに食べさせ殺害したとして50歳の女に有罪の評決が下された。被告は「間違って毒キノコを入れた」と主張していた。殺害の動機はいまだ明らかになっていない。
スペイン北部パンプローナで牛追い祭りが始まった。初日は2分37秒で終了、6人が軽いけが。1920年代には文豪ヘミングウェイの「日はまた昇る」で紹介され世界中に知られることに。さらにテレビ中継が始まったことで人気が高まった。
アメリカと中国の交渉期限は8月中旬。トランプ大統領は中国に対し相次いで関税率を引き上げ、4月10日には145%に達した。しかし5月中旬には米中協議の結果115%引き下げられたが、このうち24%は一時的なもので8月まで協議が行われる。アメリカの関税が145%まで引き上げられていた5月初め、アパレル産業の中心都市の広州ではブランド品の投げ売りが行われていた。代償7000の縫製工場が集まる広州南部でで工場を経営する男性はメーカーから受注単価の引き下げを迫られたという。5月12日にアメリカが中国に対する追加関税を115%引き下げると発表され、縫製工場では安堵する一方、関税の一部の停止期間にどれだけ輸出できるか対応を迫られた。父親から縫製工場を受け継いだ男性は「関税緩和は良いことだがプレッシャーも感じる。いま出荷できなければまたアメリカの方針に振り回されるかもしれない」などと話す。先行きが見通せない中、工場経営者らはアメリカ以外の市場開拓を迫られている。欧州、中東、アフリカなどに販路を拡大し、各国のニーズに合った商品を生み出そうとしている。工場を経営する女性は「今回の関税で会社の弱さに気づいた。海外史上を開拓しなければ淘汰される」と話す。
ロシアによる軍事侵攻でウクライナの防空能力の強化が課題となる中、アメリカのトランプ政権はウクライナに防衛のための兵器を追加で供与すると明らかにした。ウクライナではロシアがミサイルや無人機を使って攻撃を繰り返し被害が相次いでいる。トランプ大統領は7日、記者団に対し“ウクライナに対し防衛のための兵器を追加で供与する必要がある”と強調した。
ウクライナ公共放送は国産無人機の製造について専門家の見解を伝えている。
ロシアのプーチン大統領に解任されたスタロボイト前運輸相が遺体で見つかり自殺とみられている。スタロボイトはウクライナと国境を接するロシア西部の元州知事で、ロシアメディアは防衛施設の建設費用をめぐる横領事件に関与していた可能性があると伝えている。
日中戦争の発端となっ盧溝橋事件から88年となったきのう、中国の習近平国家主席は抗日戦争の記念碑を訪れ、献花した。日程が重なったBRICSの首脳会議は欠席していて、「抗日戦争勝利80年」と位置づける今年の関連行事を重視する姿勢が疑える。
ヨウジヤマモトルーブルに立つ。