ノンフィクション作家・高野秀行のアフリカ未知の食文化取材旅に同行。エチオピアの首都アディスアベバに到着後、早朝から陸路で目的の村へ向かう。9時間かけ目的地付近の街に到着し一泊。翌日も早朝から出発し、山奥にあるコンソ地区マチャロ村へと向かった。ガイドに案内された村の入口は車を降りてすぐだったが、高野が泊まる家はそこから徒歩1時間かかると伝えられた。マチャロ村は人口が増え拡大する度に村を砦で囲み、現在は三重の壁に囲まれている。これは多民族から守るための伝統的な村づくりとのこと。つい最近まで近隣の村と戦争をしていたといい、焼き討ちにあった家も。村に住む民族コンソは元々強い民族ではなく、山の上に逃げるしかなく痩せた土地で何とか生き延びようとした結果が「酒が主食の生活」になったのではないかと高野は語った。村の人々は「チャガ」という酒でほとんど食事をまかなっているが、試飲したスタッフはその味を「腐ったヨーグルト」と表現した。チャガの主成分はソルガムとトウモロコシ。造るのは村の女性達で、穀物たっぷりのお腹にたまる酒が出来上がる。