半導体の微細化はデジタル製品の性能向上に必要不可欠だと言われている。原子レベルの薄さで誘電膜を均一に作ることは従来の素材では克服できない大きな課題だった。そこでADEKAが開発した素材が「アデカオルセラ」。金属を主成分としながら液体だ。装置の中で「アデカオルセラ」を蒸発させることで金属化合物のみが残って膜を作る。素材を特殊な液体にしたことで、ウイルスの1000分の1の均一な膜を作ることが可能になった。一方で「アデカオルセラ」は非常にデリケート、ごく僅かでも不純物が入れば素材の役割を果たさない。そこで、鹿島化学品工場ではごく微量な不純物を特別な装置で測定している。その分析力は東京ドームいっぱいの水の中に落ちたインク一滴を見逃さないレベル。さらに、純度を保つため運搬用の容器も独自で設計した。