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オープニング映像。
パンの風味と食感を維持しつつ、消費期限を伸ばせるマーガリン「マーベラス」を生産・販売しているのが今回のガリバー、ADEKA。ADEKAが生産・販売している素材は食品だけではない。ADEKAが扱う素材の数は6000品種。
ADEKAは国内に17拠点、国内グループ会社は20社、海外グループ会社は30社を有する年商4033億円、従業員数5564人の企業。コーポレートスローガンは「アド・グッドネス(良いものを足す)」。業務用マーガリン「マーベラス」は水分の蒸発を抑える酵素を配合しているため、焼き立ての風味や食感を保つことができる。素材メーカーの役割は原材料を加工して素材にすること。パンを作るのは顧客であるベーカリーや製パン会社の役割だが、素材が製品となった時にどう機能を発揮するのか顧客と同じ環境で確認する必要があるとADEKAは考えている。ADEKAの売上の多くを占めるのが化学品事業だ。
「アデカサクラルーブ」自動車のエンジンオイルに使われる添加剤。エンジンオイルにはエンジンの動きを滑らかにしたり耐久性を高めるなどの役割がある。ADEKAの添加剤が入ったエンジンオイルはエンジンの中で擦れ合う部品の表面に層になった被膜を形成、一つ一つの層が動きやすくなることで部品同士の摩擦を抑えて燃費を向上させる。CO2の排出削減効果は年間170万tと試算されている。トヨタの新車のほとんどで使用されている。続いて、樹脂添加剤。添加剤なしのプラスチックは結晶が大小バラバラ状態だが、ADEKAの添加剤を加えたプラスチックは結晶が細かく均一であるため、光を通しやすく透明度が増す。より透明であることが求められる製品にはADEKAの樹脂添加剤が欠かせない。他にも、原料に混ぜ合わせることでプラスチックが燃えにくくなったり、強度が増したりするなど様々な製品に使われている。
ADEKAの原点は化学繊維の原料や紙の漂白に使われる苛性ソーダの製造だった。1917年、旭電化工業が誕生した。当初は苛性ソーダを国産化するために設立した会社だったが、翌年に苛性ソーダの価格が暴落し存続の危機に陥った。旭電化は苛性ソーダの製造過程で生まれる副産物・水素を活用して石鹸の製造・販売を開始。その数年後にはマーガリンの製造・販売をにも乗り出した。高度経済成長期以降は樹脂や潤滑油の機能を高める添加剤に事業を広げた。1980年代に急速なデジタル化が進むと半導体材料へのニーズが加速、ここで苛性ソーダの製造による副産物・塩素の高純度化が必要になった。2006年にはADEKAを社名に。いま、ADEKAが今後の成長を期待して開発に注力しているのが半導体分野だ。
半導体の微細化はデジタル製品の性能向上に必要不可欠だと言われている。原子レベルの薄さで誘電膜を均一に作ることは従来の素材では克服できない大きな課題だった。そこでADEKAが開発した素材が「アデカオルセラ」。金属を主成分としながら液体だ。装置の中で「アデカオルセラ」を蒸発させることで金属化合物のみが残って膜を作る。素材を特殊な液体にしたことで、ウイルスの1000分の1の均一な膜を作ることが可能になった。一方で「アデカオルセラ」は非常にデリケート、ごく僅かでも不純物が入れば素材の役割を果たさない。そこで、鹿島化学品工場ではごく微量な不純物を特別な装置で測定している。その分析力は東京ドームいっぱいの水の中に落ちたインク一滴を見逃さないレベル。さらに、純度を保つため運搬用の容器も独自で設計した。
ADEKAの城詰社長は海外売上比率をもっと広げて本当の意味でのグローバル企業になりたいなどと話した。
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