7月下旬ぐんまちゃんは太田市内の保育園を訪れ子どもたちと交流した。続いて毎週行われる群馬県庁にあるイベントに参加し得意のダンスを披露した。最後の仕事はテレビの収録。ぐんまちゃんは決してまっすぐ歩かない。できるだけ多くの人と触れ合うため。子供と会うときは目線を下げる。去り際には深くお辞儀する。群馬県にはぐんまちゃんを支えているチームがある。一番の古株である信澤さんは5年前に加わりぐんまちゃんのメディア対応を取り仕切る要。チームが一番力を入れているのがSNSで、1日2回毎日発信することでつながりを深めている。
群馬県はぐんまちゃんが主人公のアニメを製作しそれを機に海外進出することにした。アニメには群馬の観光地や特産品の情報を散りばめ8ヶ国語に対応させ200以上の国や地域への配信も始めた。海外進出に込めたのは群馬県のインバウンド需要を増やしたい狙いがある。海外進出のプロジェクトを任されたのは信澤さんで、一番の課題は言葉の壁を超えぐんまちゃんをどうアピールするか。ぐんまちゃんはアメリカに到着しアニメエキスポ2023でダンスを披露したが足を止める人は少なかった。
ぐんまちゃんは試練を幾度も乗り越えてきた。ぐんまちゃんが生まれたのは1994年でゆるキャラブームに乗り人気は上昇2012年県の宣伝部長に就任した。2年後ゆるキャラグランプリで1位を獲得。しかし、人気を利用するイラストの乱用が目立つようになり好感度は年々低下していった。2019年山本知事がぐんまちゃんの活用を打ち出したが新型コロナの影響で出演予定だったイベントは中止となり露出は激減した。ぐんまちゃんはSNSでの発信を始めダンススキルも磨いた。ことし5月4年ぶりとなる大阪でのPR活動を行った。
ぐんまちゃんはロサンゼルスで行われたアニメエキスポに参加し最初はブースに足を止めてもらえなかったが会場を歩き声をかけられ記念撮影をしてもらえるようになった。ブースに戻ると多くの人が足を止めた。また、YouTuberの投稿でぐんまちゃんの名前が広がった。さらに、評判を聞きつけたメディアも取材に来た。
ぐんまちゃんと信澤さんは山本知事へ海外出張の報告をした。この挑戦がインバウンドに結びつくかの結果が見えるのはまだ先。