去年デビュー25周年を迎えた2人組のロックバンド・ポルノグラフィティ。親しみやすい曲調で幅広い世代を魅了してきた。広島局から歌作りの依頼を受けた2人。当初、被爆というテーマをポップスで扱うことに大きな不安を感じていたという。どうすれば被爆の記憶や平和への願いをポップスで表現できるのか。そのヒントを求め、多くの人を訪ねた。この学校では被爆者の話を絵で表現し、当時の様子を広く伝える取り組みをしている。さらに自らの体験を世界に向けて発信し続けている被爆者にも話を聞いた。作詞はギターの新藤晴一さん。被爆というテーマを多くの人が口ずさめるポップスにするにはどうすればいいのか。新藤さんがモチーフとして選んだのは一番電車のエピソード。原爆投下から3日後、生き延びた人たちが路面電車の一部区間を復旧。後に一番電車と呼ばれた。当時の様子を知りたいと実際に車掌として乗車していた女性にも話を聞きに行った。過酷な状況の中でも日々の暮らしを取り戻そうとした広島の人たち。新藤さんは人々の力強さを歌詞に盛り込みたいと考えた。作曲はボーカルの岡野昭仁さん。多くの人の心に響くようなメロディーを探った。怒りと悲しみ、そして明日への希望。平和への祈りが込められた歌が半年かけて完成した。「言伝 ―ことづて―」が流れた。
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