テーマ「『巨大クジラ』は市場を動かすか?」。UBS SuMi TRUSTウェルス・マネジメントの青木大樹の解説。片山財務大臣は10日、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)などの年金基金による国内投資を後押しすると発言。債券などに買いが広がり、その影響からか一時2.9%をつけていた10年金利が低下し、ドル円も一時162円台から低下傾向にあった。GPIFは巨大な資金力があり「クジラ」とも言われる。運用額は直近の2025年度末で293.6兆円。国内債券比率を低下させる中、運用額を拡大させてきた。2014年当時、国内債券比率が60%から35%に引き下げた分、国内株・海外株をそれぞれ12~25%に拡大させたことでアベノミクスの円安と日本株買いを勢いづかせた。今回も2014年のような大きな配分変更になり、逆に債券や国内資産の比率を高めていくかで注目される。基本ポートフォリオの変更の可能性は低い。運用資産額104兆円のその他公的年金はGPIFに連動して動く面が強く、企業年金は一定程度影響を受ける可能性はある。国内資産比率も高い傾向にあり、GPIFに比べて拡大余地は低い。保険の資産規模は500兆円と大きいが、GPIFに追随する動きは限定的とみられるが、資産規模が大きいため少しでも動くとそれなりに影響はある。片山大臣は日本の長期金利の上昇、円安も止まらない中で過度な動きを抑制したい狙いがあったとみられる。
