アメリカのFRBは7会合連続で、政策金利の水準を維持すると発表。今後の見通しについて、年内に1回の利下げを行うといい、円安の要因でもあるアメリカの高い金利が長く続くことを意味する。アメリカでは消費者物価指数が+3.3%で、FRBの目標値よりも高く、利下げに踏み切るわけにはいかない事情がある。一方、製造業の景況感を示す指数は悪化がみられ、新築住宅販売も低水準。個人消費も陰りが生じているという。物価を抑えようと高金利が続くうちに企業の資金調達が難しくなり、景気停滞を懸念する声もあがっている。他国に目を向けると、ヨーロッパ中央銀行は5年ぶりに政策金利を引き下げると発表。だが、インフレが再加速している兆しがある。アメリカでは大統領選挙を控えていて、FRBが大胆な動きを見せづらいと考えられる。利下げは選挙後という見方が強まっている。日本としてはアメリカが政策金利を引き下げれば、円安が和らぐと期待されていたが、まだ時間を要する。政府・日銀にはより主体的な政策運営が求められる。