中西部イリノイ州のシカゴで開かれている民主党の全国党大会は22日最終日を迎え、今月初めに党の大統領候補に指名されたハリス副大統領が演説する予定。陣営の関係者によるとハリス氏は演説で、中間層の人たちが暮らす地域で育った生い立ちや人々を守ろうと検察官になった思いなどを語り、有権者と同じ価値観を共有していることを示すという。そして野党・共和党のトランプ前大統領について「人々の自由を奪い国を後退させる存在だ」と強調しながら、自身は「新たな前進の道を示す」として指示を訴える見通し。今回の党大会では歴代の民主党の大統領が登壇してハリス氏への全面的な支持を打ち出し、バイデン大統領の撤退で急きょ候補者となったハリス氏のもとでの挙党体制の構築に重点が置かれてきた。一方、事実上の公約となる政策綱領はバイデン氏が撤退を表明する前にまとめられたものがそのまま採択され、ハリス氏の独自色を十分打ち出すものにはなっていない。投票日が2か月半後に迫る中、ハリス氏が演説で党の結束を図りながら、無党派層など幅広い有権者にアピールし、選挙戦のはずみにできるかが焦点。