米税関・国境取締局は11日、スマホなどの電子機器・半導体製造装置などを相互関税の対象から除外すると通達を出した。中国への追加関税が145%となったことで、中国で組み立てられたiPhoneなどの価格が大幅に値上がりする懸念が高まっていて、今回の決定は消費者の反発を回避する狙いがあるものとみられる。今回のアメリカの対応について中国商務省は「『相互関税』という一方的で誤ったやり方を改める『小さな一歩』だ」と評価した。その上で「4月2日の発表以来『相互関税』はアメリカの問題を解決できなかったばかりか、企業の経営と人々の生活を深刻に妨害した」と改めて批判している。さらに「鈴を外す人はやはり鈴を付けた人だ」という中国のことわざを使い、アメリカに対して「大きな一歩を踏み出して『相互関税』を完全に撤廃すべき」と呼びかけている。145%の関税を課したアメリカに対し、中国は関税を125%に引き上げたが、今後の報復は無視する考えを示した。2014年に創業した中国の会社では海外の大手スポーツブランドやメジャーリーグ、NBAなどの帽子を製作している。日本やヨーロッパにも輸出しているが、アメリカ向けが輸出の半分を占めるという。新たな輸出先の開拓や工場の規模縮小も考えているというが、先が見通せないため今は何も決めることができないという。担当者は「145%の関税だと多くの企業が耐えられなくなる。今はみんな様子見をしている。この時点でのいかなる決定もリスクが伴う。待つしかない」と話した。