ニューヨークから中継で岡三証券・荻原裕司氏と伝える。スペースXのIPOやNASAのアルテミス計画など、宇宙に対する注目が高まっている。これまで宇宙は科学探査の対象との位置づけだったが、現在は国家安全保障と経済戦略の最前線としても位置づけられ、重要度が増している。米中の間では宇宙開発競争が激しくなっているが、国際法である宇宙条約では月などを含む宇宙空間の占有を禁止しているものの、宇宙の様々な場所に先にアクセスした者が実質的な影響力を持つ先着順の印象を強く感じる。未来の宇宙における実質的なルールを握ることにもなる。中国は2030年までに有人月面着陸を目指していて、月の重要な地域や資源を独占的に領有する可能性も指摘されている。アメリカにとって宇宙開発を急ぐことは経済的にも安全保障上でも非常に重要になる。イーロン・マスク氏が率いるスペースXによる宇宙事業への関心が高まっている。スペースXはビル40階建て相当の史上最大のロケット「スターシップ」を開発しているが、これが宇宙への輸送コストを劇的に引き下げ、アメリカの宇宙開発をさらに加速する可能性を秘めている。スターシップは試験飛行段階だが、輸送コストはすでにスペースXの主力ロケットの25%程度で、将来的には5%程度まで削減する見通しもある。宇宙に運ばれる衛星などの貨物も爆発的に増加すると考えられる。これによって宇宙にデータセンターや半導体工場を建設するといったSFのようなミッションが収益を生むビジネスに移行すると予想される。スターシップが商業的な打ち上げを行い、宇宙開発へと続けばアメリカが主導する形で宇宙のルールが築かれ、覇権争いにおいても先攻することになると予想している。
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