きょうの為替について井野さんが予想。ドル円・予想レンジを143.50円~146.50円とし、注目ポイントは関税交渉の為替議論・中国はどう動いてきたか。今週G7財務省・中央銀行総裁会議にあわせ加藤財務大臣がベッセント財務長官と会談できないか調整。為替について議論するとしているが、先週はそうした発言が円安是正の思惑を再燃させ、ドル円相場の上昇を抑制したと考えられる。ただ、今回もベッセント財務長官から速やかなドル安・円高を要請されることはなかったという前回同様の具体的要求はないのではと考えている。ここまで為替市場では関税イコールドル高の見立てに反しドル安となる中、アメリカの輸入物価の観点で影響が大きいはずの人民元が年初来で対ドル相場は若干の上昇にとどまっている。この動向がドル安抑制に貢献しており、人民銀行の出すメッセージは、人民元安抑制から人民元高抑制に変わってきている。仮に人民元高を容認する基準値設定となっていたらドル安はさらにエスカレートしていた可能性もある。人民元指数がドル安に連動する形で下落することはアメリカ以外への輸出振興を強化する中国当局の思惑とも合致する動きで、米中間の対話がうまく進んでいるとするとアメリカの思惑も繁栄されている可能性がある。仮に人民元高を抑制するのであれば、ドル安も抑制的なものになるかもしれない。