アメリカ・ルイジアナ州のミシシッピ川の河口にある国内最大級の湿地帯で異変が起きている。湿地帯バイユーは気候変動による海面上昇などの影響で陸地が急速に海に沈みつつある。2011年には陸地が減り、海の面積が増加、過去100年で約5200平方キロが消失した。バイユーの総面積は約1万200平方キロ、人口は240万人。先住民族が住むポワント・オ・シェン地区。漁業や畑で生計を立ててきたが、土地が沈むとともに今は漁業しかできなくなったという。この地区では約1000人いた住民が200人未満に減った。ルイジアナ州沿岸では海面が過去50年で43センチ上昇、世界的に類を見ないスピードで土地が減少している。気候変動により勢力を増したハリケーンが土地の消失に拍車をかけているとの指摘もある。4年前のハリケーンでは高波により大阪市よりも一回り大きい面積の土地が1日で押し流された。生息地を失いつつある野生生物の一つがアリゲーター。ワニはかつて乱獲で絶滅の危機にあったが、保護政策により300万頭にまで回復した。ワニは海水では生きることができず、水と土地を求めて人が住む近くにまで現れはじめている。8月、バイユーでは子どもがワニに襲われて亡くなる事故が発生。
