上海支局の山口博之記者によると、満期を迎える定期預金の巨額マネーが今後どこに流れるかについて、キーワードは“新三金”。MMF(マネー・マーケット・ファンド)、債券ファンド、金価格に連動するファンドの3つを指しており、これらを組み合わせた運用が広がっている。新三金は、低いリスクだが足元の定期預金よりはリターンを得られる形で資産を徐々に増やそうとする手段。新三金を支えるのは主に若い世代。政府は主に勢いづくハイテク関連銘柄人気に着目しており、投機的な動きを警戒しつつ満期を迎える定期預金をめぐって株式市場への流入と活性化を望んでいるが、新三金はあくまでも低リスクの着実な資産運用。政府は現金に近い動きをするMMFに注目している。中国の多くの人が使う決済アプリでは、機能のひとつとして電子マネーの残高を預けると複数の公募ファンドと連動した利回りが反映されるMMFで運用する仕組みが備わっている。決済機能と一体化してタップひとつで買い物や送金などにも気軽に使えるため、収益性に加え消費に直結する高い流動性が両立し、若い世代の多くも普段から使っている。政府はマネーを積極的に消費に回してもらおうと、若い世代が抱えるローンの金利を引き下げるよう誘導する施策も進めているが、依然として高い失業率、低い賃金のもとで根強い節約志向に目立った変化は見られない。社会保障を拡充するなど、安心してお金を使える環境づくりが消費の底上げにとっては急務。
