アメリカ・フロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げられた宇宙船「オリオン」。アメリカが始動する国際月探査プロジェクト「アルテミス計画」で初めて宇宙飛行士4人を乗せて月へと向かう。NASAは打ち上げ直後に地球との交信の拠点となる人工衛星との間の通信に一時的に障害が発生した他、トイレのシステムに問題が生じたと説明したが、飛行に支障なし。NASAは「アルテミス計画」で2028年を目標にアポロ計画以来となる宇宙飛行士による月面着陸を目指している。今回は前段階で、宇宙飛行士を乗せて月の裏側を飛行し地球に戻る10日間の飛行が計画されている。日本時間3日、宇宙船「オリオン」は地球を回る軌道を離れて月へ向かう。そして月に最接近するのが日本時間7日。月の裏側を回り込むように飛行して1970年にアポロ13号の乗組員が記録した人類が地球から最も離れた距離の記録40万171キロを更新する見込み。月面の様子を撮影するとのことだが、宇宙飛行士の視点からは、月が腕を伸ばして持ったバスケットボールほどの大きさに見えるという。その後、月の重力圏を離脱して地球に帰還するのは11日。宇宙船はエンジンなどを切り離して大気圏に突入。パラシュートを開いて減速し、太平洋沖に着水へ。アメリカ側との取り決めではNASAが日本人宇宙飛行士に2回にわたり月面着陸の機会を提供することになっている。一方で日本側はJAXAなどが有人月面探査車を開発することになっている。アポロ計画から半世紀を経て再びアメリカが力を注ぐ月の探査。背景には資源開発を巡る中国との競争がある。月面では15年ほどの間に氷の存在が確認されたことから水から酸素・水素が得られる可能性があり、火星など遠い惑星に向かう拠点となる可能性もある。中国も月の探査計画を宇宙開発の重要な柱と位置付け、2030年に有人による月面着陸を目指すとしており、月を舞台にした開発競争の行方を占う今回の成果が注目されている。
