普段、小田凱人は母の運転でテニスの練習に向かっているという。小田凱人は病気の影響で左足は自由に動かせないので、普段は杖を使って歩いているという。そんな小田凱人は「ナダルとジョコビッチとフェデラーを足したプレイヤーになりたい」と目標を語っている。小田凱人は9歳で骨肉腫と診断されて、病室で国枝慎吾のプレーを見て、かっこいいと思い車いすテニスをするようになった。そして国枝慎吾と対戦するまでになった。
今年1月、国枝慎吾が現役引退を表明した。小田凱人はショックを受けたという。小田凱人は国枝慎吾の後継者として注目されるようになり、スポンサーもつくようになった。そんな小田凱人は四大大会での初優勝とパラリンピックでの金メダルを目指すようになった。全豪オープンではアルフィー・ヒューウェットと決勝で対戦したが負けた。そのため弱点のバックハンドを強化し新しいショットを習得することになった。
9歳の頃に診断された骨肉腫はまだ完治したとは言えず、再発や転移がないか確認しているという。また9歳の頃に股関節に入れた金具が成長した体に合わなくなってきており、痛みが生じているという。ただ大会のために治療は先延ばしにしているという。そうした中で小田凱人は全仏オープンに向けて練習していたバックハンドのダウンザラインを試したが成功率は高くなかった。
全仏オープンが行われるパリ。初日の朝に小田凱人に話を聞いた。小田凱人は「やるしかない」と晴れ晴れとした表情で語った。出国前に国枝慎吾と練習し教えを請うたという。小田凱人は決勝まで進んで、決勝では全豪オープンでアルフィー・ヒューエットと対戦した。そして勝利することができ、史上最年少で四大大会優勝を決めた。
小田凱人は試合後に「夢がかなった日。有言実行できたのは自信につながる」と思いを語った。小田凱人は遥かなる道の一歩を踏み出したと伝えた。