習近平国家主席は、5年ぶりにヨーロッパを歴訪している。6日、フランスを訪れて、マクロン大統領と会談し、同日、EUのフォンデアライエン委員長も加えた3者による会談も行われた。10日までの間に、セルビアとハンガリーを訪れる予定だ。セルビアは、EUには加盟しておらず、中国の一帯一路に参加している。中国からの投資で、ハンガリー・ブダペストとセルビア・ベオグラードを結ぶ新たな鉄道が4618億円をかけて建設されている。セルビアは、EUと加盟交渉を進めていて、2022年の貿易取引額は、EUが59%、中国が9%となっている。去年10月、セルビアは、中国との自由貿易協定に署名した。中国にとっては、中東欧諸国と結ぶ初めてのFTAだ。2国間貿易は、2016年には、約6億ドルだったが、去年は、43億5000万ドルだった。専門家によると、習主席のヨーロッパ歴訪自体が、ヨーロッパが一体となって中国と対峙していこうという流れに対する牽制であり、セルビアには中国の影が常につきまとっていると欧米に感じさせることが、今後の交渉材料になるという。末延は、ハンガリーとセルビアとのつながりを作ることで、中国は、親ロシアの国に影響力を持つことになり、中露に対する、ヨーロッパ・アメリカの包囲網を崩すことができるなどと話した。吉永は、中国がロシアと一体化しない道筋を残しておくことが重要だなどと話した。末延は、日本は、日米同盟における日本の主体性を改善しながら、中国とのパイプを繋ぎ直していく外交的仕掛けを行うべきだなどと話した。ロシアのプーチン大統領は、15日から16日の日程で、訪中する方向で調整が進められている。両国関係の重要性の高まりを強調するものだという。専門家は、14か月で3回の首脳会談という頻度は異例であり、軍事面・経済面での協力の確約を取りにいくのではないかなどとしている。末延は、ロシアとしては、ウクライナでの戦闘のために、中国のサポートを必要としているが、中国には大国として、アメリカと話してもらいたい、米中関係は注意深く見ていく必要があるなどと話した。きょう、プーチン大統領の5期目の就任式が行われる。任期は6年間だ。