金沢大学名誉教授・廣瀬幸雄はコーヒー学を30年前から教えるコーヒー博士。コーヒーの産地約35か国を視察した。さらに、工学の知識を詰め込んだ焙煎機を何台も施策してきた。化学反応を操るのが廣瀬式焙煎法だ。この境地に至るまでに目を通したコーヒー関連の書籍は1万冊以上。21年前、イグ・ノーベル賞を受賞してから名が世界に広がった。兼六園にある像に鳥の糞害がなかった理由を研究した。
廣瀬の日課は1日1万歩の散歩。散歩コースはジグザグだ。そしてたどり着いたのが工学の知識を詰め込んだ水素焙煎珈琲だ。150℃以上に熱した焙煎機を真空にして約300℃の過熱蒸気と水素を注入すると、酸化を抑え雑味の少ないクリアな味を実現できる。スタジオで廣瀬式水素焙煎コーヒーと市販のコーヒーを冷めた状態で飲み比べた。