トルコ南部のアダナには多くのシリア難民が身を寄せている。観賞用のハトを売買する店を営むレジェプ・ネフィアさんがシリア北部アレッポから逃れたのは9年前。妻と息子と命からがらトルコに逃れてきたという。安全なトルコに逃れて来たがトルコ社会に溶け込めず不安や息苦しさも感じてきたが、支えとなったのがハトだった。アサド政権が崩壊し難民の帰還も進むシリア。ネフィアさんは故郷に戻り再びシリアでハトを放つことに決めた。一方、シリアには戻らないという選択をした人達もいる。靴工房で働くムハンマド・アフメットさんは、11年前にアレッポから妻とトルコに逃れてきた。3人の子どもたちはトルコで生まれシリアに行ったことはない。子どもたちの将来を考えるとシリアに戻ることは出来ないと考えている。依然不安定な情勢が続くシリアでは生活を一から立て直すのは困難だとみている。アフメットさんの母親はいつか一家全員でシリアに戻るべきだと考えている。しかしアフメットさんは同じ考えになることが出来ずにいる。トルコのシリア難民はそれぞれの道を進もうとしている。