ハマスがガザ地区を実効支配した2007年以降、イスラエルとの間で大規模な軍事衝突が起きてきた。今回は5回目で、約240人の人質がガザ地区に拉致された。ネタニヤフ政権は徹底した攻撃、ハマスへの圧力が人質解放につながると考えていたが、一向に実現せず、交渉による解決を要求する世論も高まっていった。さらにアメリカによる働きかけもあり、アメリカ、カタール、エジプトの仲介で、ハマスは人質の部分的解放に応じた。イスラエル、ハマスは4日間、戦闘を休止し、人質の解放、支援物資や医薬品などをガザ地区へ搬入することが合意に至った。これまでに合わせて69人の人質が解放され、パレスチナ人150人が釈放された。27日、イスラエル、ハマスはガザ地区での戦闘休止、人質解放の2日間延長でさらに合意した。ただ、ネタニヤフ政権は長期の戦闘休止、停戦を志向しているわけではない。
ハマスは人質全員の解放に応じないことを考えると、ネタニヤフ政権は世論が受け入れるギリギリまで戦闘を継続する可能性があるという。そうなると、人道危機が深刻化する上、イスラエル経済への影響は必至で、巨額の戦費が重くのしかかることになる。一方、ヨルダン川西岸地区では治安が悪化し、入植者や極右政党を支持基盤とするネタニヤフ政権はこれを放置しているという。戦闘休止をできるかぎり延長させ、停戦に向けた糸口を見出す関係国の外交努力が求められている。
ハマスは人質全員の解放に応じないことを考えると、ネタニヤフ政権は世論が受け入れるギリギリまで戦闘を継続する可能性があるという。そうなると、人道危機が深刻化する上、イスラエル経済への影響は必至で、巨額の戦費が重くのしかかることになる。一方、ヨルダン川西岸地区では治安が悪化し、入植者や極右政党を支持基盤とするネタニヤフ政権はこれを放置しているという。戦闘休止をできるかぎり延長させ、停戦に向けた糸口を見出す関係国の外交努力が求められている。