今週26日からフランスパリで始まるオリンピック。ウクライナにとってはロシアによる軍事侵攻が続く中での参加となる。これまでに500か所以上のスポーツ関連の施設が破壊されるなどウクライナのアスリートたちは大きな影響を受けていて、今回のオリンピックへの出場選手は140人と夏の大会としては最も少なくなる。それでもウクライナの強さを見せたいというアスリートたちを取材した。キーウ市内のショッピングセンター。こちらではパリオリンピックでウクライナの選手団が着用するウエアがお披露目されている。ロシアによる軍事侵攻後、初めてのオリンピックとなるパリ大会。選手たちは国旗の色である青と黄色のユニホームを身に着け、国民の期待を背負って大会に臨む。その選手の1組、マリナアレクシーワ選手とウラディスラワアレクシーワ選手。アーティスティックスイミング代表の双子の姉妹。東京オリンピックではチームで銅メダルを獲得。パリ大会では2人でデュエットに出場する。パリ大会に向けて準備を進めてきた2人。しかしロシアの侵攻直後は練習できる状況ではなかった。2人はいったんイタリアへ避難したが、およそ半年後に帰国し、去年9月、故郷である東部ハルキウに戻って練習を続けた。ただ、ロシアの国境に近いハルキウでは攻撃が絶えなかった。練習していたハルキウのプール。建物の窓ガラスは攻撃の影響で割れてしまった。プールの底にはガラスの破片が落ちていたこともあった。防空警報で練習が中断し、シェルターの中でチームメートと体を動かすだけの時間が続いた。停電も頻繁に起きるためプールの水温が下がる冬場はウエットスーツを着て練習することも。5キロほどの負荷がかかり、動くのは大変だった。代表に決まってからは安全確保のためキーウで練習をしているが、ほかの競技用のプールを使っているため練習時間は限られている。それでもウクライナが戦い続けていることを世界に示したいとオリンピックに臨む。戦時下でオリンピックに挑む2人。この日は過酷な状況でも練習を続ける選手たちの姿を伝える写真展に参加した。ウクライナの強さを世界に届けるために。彼女たちの挑戦はまもなく始まる。