イチョウの葉が地面を埋め尽くすのは、1本の木についている葉っぱが一度にドサっと落ちるから。秋に葉を落とす落葉樹はイチョウのほかにもカエデやケヤキなど様々な種類がある。葉が緑の間は光合成をすることで必要な栄養分を幹に送る役割をしているが、秋になると光合成の効率が低下し、葉が色づき始めると同時に次の春に必要な栄養を幹が回収し離層を作りだす。離層は葉の付け根部分にできる組織で、これにより養分の行き来が完全にストップ。やがて離層部分から葉が落とされ役目を終える。落葉樹の多くは同じ木でも日当たりなどの条件により紅葉・離層を作るタイミングはバラバラで、全ての葉が落ちるまでには1~2週間かかる。しかしイチョウは一斉に離層を作るため葉が落ちるタイミングがほぼ同じで、数時間~1日でほとんど枝だけの状態になる。イチョウが街路樹に使われるのは火に強いため。イチョウは水分を多く含んでいるため葉も幹も燃えにくいとされ、関東大震災でも生き残ったイチョウが多かったため火事に強い木として街路樹に採用されたといわれている。カエデやケヤキなどは落ちたあとすぐ水分を失うため乾燥して粉々になったりするが、イチョウはワックスのようなクチクラの層で表面が覆われているため水分が蒸発しにくく落葉後も長く細胞が生き続ける。イチョウは針葉樹の仲間で縦に葉脈が入っているため粉々になりにくく形を維持しやすい。
