「だから世界で戦える」、一流選手には卓越した技術だけではなく、それを可能にするための思考がある。男は世界最高峰の壁とぶち破り、ニッポンをまだ見ぬ壁の向こう側に導く。日本代表のキャプテン・遠藤航は去年、イングランドの名門・リヴァプール二移籍を果たした。4シーズン在籍したドイツでは球際の強さでリーグトップの数値をマークするなど大活躍。それが認められ30歳にしてのビッグクラブ入り。その遅咲きのキャリアアップについて自身がイタリアの名門・インテルに所属していた長友佑都は「年齢重ねてからというのはよりすごい」と語る。しかしシーズンが始まると遠藤の居場所はもっぱらベンチだった。交代出場しても残り僅かな時間では満足なプレーはできずじまい。遠藤選手は「もともとプレッシャーを感じるタイプではないが、チームのためにやりたいというか、そういう意識でやっていた」と話す。出場時間に恵まれない中で決して腐ること無くチームのために己を磨き続けた遠藤。すると去年12月、不遇の状況を1つのプレーで打破した。第14節、フルハム戦。後半終了間際に出場した遠藤は4分でおお仕事をやってのけた。チームを救う値千金の同点ゴール。その後リヴァプールは逆転し、劇的勝利の立役者となった。それを機にスタメンに定着した遠藤。そんな中、男のハートをより強固なものにした試合が12月、当時リーグ首位だったアーセナルとの大一番。トップ・オブ・トップのタレント軍団と対峙しても怯むことはなかった。遠藤選手は「自分が高いパフォーマンスを出せたのはかなり自信になった」と話す。遠藤はこの月、チームの月間MVPを獲得。シーズン序盤の苦境から一変、華麗なまでの逆襲撃。それを可能にした遠藤航の思考について聞くと「自分自身、あまり他人に相談するとかないんですけど、自分自身がブレないことが一番大事だと思っているので、周りはいろいろ言うと思うが、結局最終的に結果を残すために自分が何をしないといけないのかを常に考えて行動することが大事だと思うし、意外とできそうでできないことだと思う。それをやり続けれたのが最終的に結果につながったんじゃないかと思う」と話す。この思考は奇しくも先日引退を発表した日本代表の先輩キャプテン・長谷部誠と通じるものがある。国を背負う・牽引する男たちの方程式なのかもしれない。
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