自動車で走行中、道路との摩擦でタイヤから出る“粉じん”について、ヨーロッパで環境への影響が懸念されている。近年これが注目されることになった理由には、EVが普及してきたことがある。EVは大きいバッテリーを搭載しているためガソリン車より車体が重く、粉じんの排出量が約20%多くなるため。人や環境にどのような影響があるのか十分な調査はできていないが、EUでは新たに規制を検討する動きが出ている。こうした中、ロンドンにあるスタートアップ企業「The Tyre Collective」は、走行中にタイヤと道路の間に発生する静電気を活用し、粉じんを回収する装置を開発した。装置に溜まった粉じんは、新しいタイヤの他、3Dプリンターの材料などにも再利用される。この装置は去年、環境問題の対策に力を入れるチャールズ国王(当時 皇太子)が設立した賞を受賞した。2025年の実用化を目指し試行錯誤を続けている。