- 出演者
- 池上彰 宇賀なつみ 三田寛子 遠藤章造 伊集院光 新山(さや香) 石井(さや香) 松村沙友理
米不足には去年の米の不作や訪日客の米消費が増えた、米の在庫が少ない時期だったなど複合的な原因がある。米の民間在庫の推移を見ると、新米との入れ替えになる8月は毎年米が少ない。日本国民1人当たりの年間米消費量は2023年度51.1キロだが、1962年度は118.3キロだった。食生活の欧米化によって米を食べなくなったと言われている。米が余っていた時代、国は減反政策によって補助金を払い作る米の量を減らしてもらっていた。市場の競争力を高めるため国は2018年に減反政策を廃止。管理していた米を自由化して米農家に新たなビジネスチャンスを提供したが、現在も減反に協力する農家には助成金を支出している。自由化の影響で新品種の米が増え、各地域でブランド米ができ始めた。
政府備蓄米は10年に1度の不作でも供給できる量を貯蓄している。毎年20万トン程度国が買い上げ、5年で飼料用として販売する。東日本大震災や熊本地震のときにも備蓄米が供給された。備蓄米は平成の米騒動がきっかけで始まった。日本は毎年一定量を義務として外国から輸入するミニマム・アクセス米が義務付けられ、米が余っていても外国から米を輸入しなければいけない状態が続いている。輸入されたミニマム・アクセス米は外食産業で使われるほか、加工用、飼料用、援助用として消費されている。1999年度からはミニマム・アクセス米以外の外国産の米も輸入できるようになった。国産米が価格競争に敗れないために280%の関税をかけ安く売ることができないようにしている。令和の米騒動を受け、坂本農林水産大臣は9月からは主産地の出荷も始まるので普段通りに米を買い求めてほしいと発言している。池上は主食の米を大切にしていくことが食料安全保障という点で改めて注目する必要があると話した。
天気は気象庁の人が1日7回目で見て判断している。この目視観測は3月から東京大阪のみで続けられることになった。天気は過去のデータをもとに予想しているが、温暖化などの気候変動が大きくなると統計データが役に立たなくなる。台風10号は過去にあまり来たことがなく、進路が予測しづらかったと言われている。偏西風が北にあったことも迷走した要因。また日本列島周辺の海水温が高いため、近づくほどに発達した。温暖化の影響で最大風速が7.5%強くなった可能性があるとの分析結果もある。台風と熱帯低気圧の違いは風速で、中心付近の最大風速が秒速17.2メートル以上になると台風。熱帯低気圧になっても大雨や暴風の危険はなくなっていない。鉄道は無理をせずあらかじめ計画運休をするようになった。
自民党総裁選挙は自民党内部のことだが、総裁が総理大臣になる可能性が高い。総裁が決まると国会議員全員が総理大臣を選ぶが、自民党が多数を占めているため結果的に自民党総裁が総理大臣に選ばれる。今回の総裁選は過去最多の立候補者。裏金問題をきっかけに派閥がほとんど解散したため、立候補者が増えた。派閥があると派閥内で応援する人が決まっていると立候補しないように言われたりといった縛りがある。今回は昔同じ派閥から何人も立候補することができるようになった。麻生派だけは解散しない意向。また岸田総理が出馬しなかったことで、総理を支える党幹部や大臣が多く出馬した。総裁選で知名度を上げれば次の選挙でも有利になるという考えもある。自民党としては立候補者が多いことで派閥を解消したクリーンな政党というアピールにもなる。
党員は多くが年会費を払って党を応援している人のこと。18歳以上の日本人で他の政党の党籍を持たず、年に4000円の党費を収めているのが条件。党友は党を支援する団体に所属する人で、党の規則を守る義務があるかないかや払う金額にも違いがある。今まで投票権を得るには党員になって2年が必要とされていたが、今回は特例として去年までに入党して党費を払っている党員は投票権を得ることができるようになった。家族が党員だから党員になる人や仕事の付き合いで党員になる人もいる。総裁選は自民党内の選挙なのに街頭演説をしているのは、他の選挙にも通じるから。一般の世論調査の結果と自民党員の世論調査がほぼ同じような結果になるとも言われている。
自民党総裁選は国会議員票367票と党員票367票で投開票となるが、党員は100万人以上いるため1人1票とはいかない。党員が3000人いて国会議員1人分にしかならない。1回投票して過半数になれば当選となるが、過半数に届かなければ上位2人で決選投票が行われる。決選投票は国会議員が1人1票で367票と都道府県票が47票。都道府県票は党員・党友が投票した結果、上位2人のうち多かった方に投票する仕組み。立憲民主党の代表選で投票するのは1/2は衆参の国会議員、1/4は地方議員、1/4が一般の党員。解散総選挙の結果政権交代し、立憲民主党のトップが総理大臣になる可能性もある。野田元総理が総理になると、総理経験者が再び総理になるのは戦後3人目となる。