トランプ政権を支えてきたイーロン・マスク氏が政府で活動する時間を大幅に減らすことを表明した。本業であるテスラの業績が大幅に落ち込んでいたが背景に見え隠れする中国、猛追の現場を取材。きょう開幕した上海モーターショー。世界最大級の展示会で並んだ車は技術の世界経済の未来を映し出しているのかもしれない。世界で400万台以上を販売するBYD。中国企業がしのぎを削るのはスピード。車の速度ではなく充電スピード。キャッチフレーズは給油と同じ速さで充電。充電の速さには自動車ジャーナリストも驚き。別のメーカーでは約3分でバッテリー交換。この車のブースにも多くの人が集まった。現地メーカーの圧倒的攻勢に中国での販売に苦戦する日本メーカー、トヨタは単独で上海に新工場を作り「レクサス」10万台の生産を目指す。中国市場の不審などで下方修正したホンダも新型EVに中国のAI「Deep Seek」を搭載。日産はPHEVのピックアップトラックを発表。EVや自動運転などが発達し大変革期とも呼ばれる自動車業界。華やかな展示会のウラでテスラは22日に決算は発表。イーロン・マスク氏がトランプ政権の仲間入りをした影響は小さくなかった。1-3月期の純利益は前年比7割減。トランプ政権となり追加関税を発動するなどアメリカ市場の見通しづらさは増す。そんななかで芽生えた新たな動き。中国とヨーロッパの接近。中国メーカーが立ち上げた新興ブランドZEEKR。現在40以上の国と地域へ輸出し急成長。高級志向で狙いターゲットはヨーロッパ。欧州の名だたる自動車メーカーのデザイナーとして活躍し4年前にZEEKRに合流したシュテファン・ジーラフ氏。近づくのは民間企業だけでない。去年EUは中国の電気自動車に追加関税を課していた。補助金によって市場をゆがめたという理由。最近になって状況は変化。EUと中国は今月、関税撤廃の議論を目指すことを発表。ルノーやプジョーなどがひしめくフランス。年間100万台の自動車が生産される国にかまえたBYDの店舗。販売側も手応えを感じている。中国メーカー側は販路拡大、欧州側は先端技術工場の建設など恩恵がある。