日本製鉄によるUSスチール買収をめぐり、買収を承認する移行を示したトランプ大統領はまもなくペンシルベニア州のウエストミフリンにあるUSスチールのアーヴィン製鉄所で行われる大規模集会で演説を行う予定となっている。トランプ大統領が出資比率など買収の詳細を明らかにするのかが焦点となっている。1つは黄金株と呼ばれる、少数の持ち分でも重要事項に拒否権を持てる株式をアメリカ政府が持つかどうか。またUSスチールの取締役の過半数をアメリカ人が占めることも条件に含まれていると見られている。もう1つの焦点はトランプ氏が明らかにした、日本製鉄による総額140億ドル（2兆円）規模の投資の詳細についてだ。
USスチールの本社があるペンシルベニア州のピッツバーグはかつて「鉄の街」と呼ばれていた。ただ、周辺の街では産業衰退により1960年代をピークに減少傾向にある。ウェストミフリンのクリス・ケリー町長はこれまで日本製鉄の森隆弘副会長と複数回に渡って面会し、何度も来日するなど、買収に向けた地元の理解を得るために尽力してきた。トランプ大統領は日本製鉄による買収は認めているが、100％の出資には難色を示してきた。USスチール買収に関する最終的な判断は来月5日までと迫っている。