障害者の「自立生活」とは、障害者が自分の意思で物事を決められる社会を作ろうという考え方。いま、日本で自立生活を学んだ海外の障害当事者の人々が経験を各国に持ち帰り、新たな制度を作ろうという動きが広がっている。コスタリカでは、障害者でも楽しめる海水浴場を全国に開設し、水陸両用の車椅子を導入した。バスには、車椅子用のリフトの設置が義務付けられた。障害者の日常生活をサポートする介助者のサービスも公費で利用できるようにした。福祉政策の導入を政府と交渉しながら進めてきたのが、障害者団体代表のウェンディ・バランテスさん。筋ジストロフィーを患っている。2009年に、来日し、兵庫県にある障害者支援のNPOで日本の障害者の暮らしぶりを1カ月半かけて学んだ。当時コスタリカにはなかった介助者のサービスを初めて利用し、障害者の自立のためには欠かせない制度だと気付いたという。帰国後、コスタリカで、介助サービスを導入する運動を始め、7年かけて中南米で初めてとなる法律の制定を実現した。現在、他の中南米やカリブの国々でも、コスタリカをモデルとした制度を作ろうという動きが広がり、自立生活革命と呼ばれている。伊藤は、NHK NEWS WEBの記事では、バランテスさんが学んだ兵庫県のNPOが行っている独自の研修内容についても紹介しているなどと話した。