気候変動対策について、小田島は、トランプ氏が石油天然ガスの最大限の活用を訴えてきただけに、バイデン政権下での方針が大きく修正されることは間違いないが、気候変動対策に関連した動きがストップするかは不透明だなどと話した。バイデン氏が推し進めてきた気候変動対策のプロジェクトは、共和党が強い州で、多額の投資や雇用を生み出している。トランプ氏を支援してきた石油天然ガス産業も大きな恩恵を受けていて、継続を求めている。大気中から二酸化炭素を直接回収する事業をめぐっては、テキサス州で、石油天然ガス企業が政府から支援を受けて2件の巨大プロジェクトを進めている。ウォール・ストリート・ジャーナルは、この企業を含む大手石油天然ガス企業のトップが相次いでIRAの支援継続を求めたと報じている。ジェトロの調べでも、IRA関連の投資は、共和党の強固な地盤のテキサス州が最大で、投資案件のうち半数超が、州知事が共和党の州を潤す結果になっているという。専門家は、IRAは法律として制定されているため、それをひっくり返すのは難しいなどとしている。トランプ次期政権の財務長官に起用されるスコット・ベッセント氏は、小さな政府を目指すべきという考えで、税制優遇などは見直すべきという立場をとっている。IRAなどの法律は、再生可能エネルギーなどの分野で大きく先行する中国にアメリカが追いつくための壮大な国家戦略とも言える。経済安全保障上の観点からも、これを見直すことになれば、中国を利するだけとも指摘されていてトランプ氏の判断が注目される。
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